2006 Fiscal Year Annual Research Report
リンパ組織におけるステロイド合成による生体調節機構の分子組織化学的解析
Project/Area Number |
17590170
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
鶴尾 吉宏 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (90207449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上山 敬司 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (50264875)
伊藤 隆雄 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (30315931)
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Keywords | リンパ組織 / ステロイド / 代謝酵素 / 生体調節 / 分子組織化学 |
Research Abstract |
腹部内臓器官におけるステロイド産生には、動物種による種差が存在しており、ラット、マウスなどの実験動物を含む哺乳動物では、脾臓、虫垂、回腸バイエル板、リンパ節などのリンパ組織が、腹部内臓でのエストロゲン産生の主要な部位であり、産生されるステロイドがリンパ組織内あるいはリンパ組織-肝臓連関を介して生体の機能調節を行っているのではないかという仮説をたて、これを確かめるために以下の実験を行った。実験動物としてよく使われるラットを用いて、リンパ組織を中心として、胸腺、脾臓、回腸バイエル板、リンパ節おけるステロイドの合成について、ステロイド代謝酵素の発現という観点から組織化学的に調べた。ステロイド代謝酵素の発現を見るために使用した抗体(アロマターゼ、5α-リダクターゼ1,2型、3α-ハイドロキシステロイド・デヒドロゲナーゼ、コレステロール側鎖切断酵素など)は、市販および当教室で新たに作製したものを用いた。まず、成熟動物のリンパ組織では、組織を構成するリンパ球、マクロファージ、樹状細胞、細網上皮細胞などの免疫機能に重要な働きをする細胞に、ステロイド代謝酵素の発現が認められた。ステロイド代謝酵素の発現は、用いた抗体によってその局在および免疫反応性が異なったが、これらの免疫機能に関係する細胞に発現したことから、リンパ組織内でステロイド代謝が活発に行われていることが示唆された。また、生後1週からこれらステロイド代謝酵素の発現が組織化学的に検出されたことから、生後早期からリンパ組織内でステロイド代謝が盛んに行われていることが推測された。これらの形態学的な結果は、リンパ組織内で産生されるステロイドが、リンパ組織の発達あるいはリンパ組織を介して生体の機能調節に関与していることを示唆する。
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Research Products
(4 results)