2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17590178
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Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
塘 総一郎 St.Marianna University School of Medicine, 医学部, 准教授 (10227639)
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Keywords | 咬筋 / 有袋類 |
Research Abstract |
哺乳類の顎二腹筋(digastricus)はその名が示す通り前腹と後腹からなる二腹筋でその間に中間腱が存在する。前腹は三叉神経、後腹は顔面神経の支配を受けている。Lubosch(1938)はかの有名なBolkのHandbuchの中で顎単腹筋(monogastricus)と言う場合は、前腹、後腹と言う形態にとらわれるのでなくこの2つの神経のいずれか一方のみの支配を受けている場合に適応されるべきであるとしている。そしてブタとノウサギは三叉神経支配の支配のみの顎単腹筋であるとしている。 コアラはの顎二腹筋はmonogastricus (Sontag1922)と呼ばれたりdigastricus (Chamaine1990)と呼ばれてきたりしてきた。今回この名称に関する問題を解決するために同筋の支配神経を剖出することにした。 コアラの場合この筋肉は三叉神経に支配されている単腹筋であった。また支配神経は三叉神経のみに支配されていた。 さらに咬耗と齢と比較して検討を行った。特に臼歯部の歯に臼歯部との強い相関が示された。生息域や季節と咬耗との相関は見られなかった。カンガルーにおいては顎二腹筋は単腹の筋であった。この場合三叉神経と顔面神経の二重支配が認められた。つまり形の上では単腹を示していたが支配神経からみると二腹の形態を有していた。カンガルーの咬筋は深層と浅層に区別されていた。特に深層は咬筋かに停止していた。支配神経からみてこの深層が上顎下顎筋に近い部分で咬合の力学的意味より下顎骨深部に停止していると考えられた。
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