2006 Fiscal Year Annual Research Report
骨随液中の未分化間葉系細胞における線溶系各因子の役割の解明
Project/Area Number |
17590217
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Research Institution | Doshisha Women's Collage of Liberal Arts |
Principal Investigator |
松野 浩之 同志社女子大学, 薬学部, 教授 (40273148)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石崎 明 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (20356439)
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Keywords | uPA / uPAR / 再生医療 / 線溶系 / collagen / 遺伝子欠損マウス |
Research Abstract |
再生医療は現代において重要なテーマであり、骨髄液中の未分化間葉系細胞はES細胞とは異なり使用に際しての制限が比較的少なく臨床応用への可能性が極めて高いものとして期待されている。未分化間葉系細胞から目的とする細胞を分化誘導し新たな成熟細胞として機能させる上での問題点として効率の良い分化誘導と細胞周期の制御が挙げられる。今回の研究では、脂肪細胞、骨芽細胞、神経細胞への分化誘導過程において蛋白溶解系として生体内で機能しているplasminを中心としたカスケードの関与について様々な実験経路からアプローチした。期間内に得られたデータはまだ基礎的なものではあるが、線溶系として認知される各因子が蛋白溶解系として機能し未分化間葉系細胞の様々な細胞への分化誘導に寄与していることが確認された。これらの細胞内情報伝達機構についても解明され、各因子の特性について2006年度にreviewの作成がなされた世界的に新たな概念の構築に寄与できたものと思われる。さらに、研究過程においてuPAR(uPA receptor)の可溶性成分について新たな検知と特異性が様々な病態で見いだされた。具体的には、collagenなど細胞外マトリックスの構築においてuPARが受容体としてのみならずリガンド様の作用も示すこと、別にインスリンをリガンドとして機能する脂肪細胞の分化においてuPARは制御機構と統制している可能性が遺伝子導入細胞実験や遺伝子欠損マウスを用いた系で示されている。これらは、臨床に置ける糖尿病と肥満の関係を新たな検知から考察するものとして注目される。これらの研究成果は現在、論文として投稿中である。これら、一連の研究は現在なお継続中のものであり、本研究の援助成果は将来において継続されるものと考えられる。
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Research Products
(6 results)