2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17590297
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
村井 嘉寛 富山大学, 医学部, 助手 (60115194)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 康雄 富山大学, 医学部, 教授 (60142022)
常山 幸一 富山大学, 医学部, 助教授 (10293341)
|
Keywords | 胃癌 / EBV / p53 / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
今年度得られた結果は以下のとおりである。統計学的検索にはx^2検定を用いて、p値0.05以下を有意差ありとした。 1.胃癌431例について、EBV encoded small RNA1(EBER1) In situ hybridizationにより23例のEBV陽性胃癌を得た。陽性率は5.3%で、従来の報告と同程度の陽性率であった。 2.胃癌症例431例について抗p53抗体による免役染色を行った結果、陽性150例、陰性281例の結果を得た。陽性率は34.8%で、この比率は従来得られている報告と同程度であった。EBV陰性408例ではp53陽性が148例、p53陰性は260例で、陽性率が36.3%であったのに対して、EBV陽性23例ではp53陽性2例、p53陰性21例で、陽性率は、8.7%であった。EBV陽性胃癌では統計学的に有意にp53陰性が多いという結果が得られた。 3.codon72の遺伝子多型について、現在157例の検索を行っている。126例はargで、13例がarg/por、18例がporであった。EBV陰性148例では、arg117例、arg/por13例、por18例であるのに対して、EBV陽性9例では、arg9例、arg/por0例、por0例であった。統計学的な有意差はないものの、EBV陽性例では、argの比率が高い傾向にあった。 以上の結果から、EBV陽性胃癌は、p53の発現が陰性のものが多く、codon72はargが多い傾向にあった。p53の陰性の頻度は統計学的にも有意であったため、p53遺伝子レベルでの異常、すなわち、ナンセンス型突然変異やフレームシフト型突然変異などが起こっている可能性が示唆されたので、EBV陽性例についてp53の突然変異の検索を現在行っている。科研費研究期間である来年度中には研究成果が得られるものと考えている。
|