2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17590576
|
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
高塚 尚和 Shimane University, 医学部, 准教授 (40242490)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松木 孝澄 福井大学, 医学部, 教授 (10126617)
飯田 礼子 福井大学, 医学部, 助教 (40139788)
伊保 澄子 福井大学, 医学部, 助教 (80151653)
|
Keywords | 熱中症 / サイトカイン / 体温 / RT-PCR / うつ熱 / 短鎖DNA |
Research Abstract |
本年度は、昨年度と引き続きマウス熱中症モデルマウスの作製とその病態解析(サイトカインおよびケモカイン等のmRNAの発現を定量、病理組織学的解析、生理学的解析)、および急性壊死性膵炎を合併した熱射病の剖検症例を主として病理組織学的に解析し、急性壊死性膵炎発症の機序の解明を試みるとともに、熱射病発症時に急性膵炎を合併することがあるのかどうかを剖検症例により解析した。 1.熱射病と急性膵炎合併について 20歳代前半の男性が、炎天下でのマラソンの途中、熱射病を発症した症例であるが、第3病日に急性膵炎を発症し、第12病日に死亡した。剖検時に、極めて重症な壊死性膵炎およびこれによる汎発性腹膜炎が認められ、また心筋および腹直筋等の筋組織には、著しい凝固壊死および崩壊像等が確認された。熱射病により死亡した症例の自験例およびほかの施設においての剖検が行われた熱射病症例合計18例の膵臓を検索したが、いずれの症例においても急性膵炎の発症および発症が疑われる症例は確認できなかった。本例では、マラソンの約1週間前に食中毒に罹患しており、熱中症発症後の意識レベルが極めて悪く、またショック状態が数日にわたり持続したことにより、腹腔動脈等の血流傷害を生じ、急性膵炎が惹起された可能性が示唆された。 2.熱中症モデルマウスの作性とその病態解析 前年度に引き続き、熱中症モデルマウスでの病態解析を病理組織学的およびRT-PCRを用いた方法により行った。前年度までは、解析したマウス数および臓器数等が十分でなかったため、本年は解析したマウス数および臓器数を増やして解析した。その実験結果の概略は、昨年度までの結果とほぼ一致していたことから、現在、発表の準備を行っているところである。
|
Research Products
(1 results)