2006 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス応答における性差の解明-心身症モデル動物を用いた検討
Project/Area Number |
17590600
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
上山 敬司 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (50264875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽野 卓三 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (90156381)
鶴尾 吉宏 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (90207449)
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Keywords | 性ホルモン / 情動的ストレス / 遺伝子発現 / たこつぼ型心筋症 / 動物モデル / エストロゲン受容体 / アンドロゲン受容体 / 酸化的ストレス |
Research Abstract |
ストレス応答における性差を性ホルモンレベルの変化から解明するため、エストロゲンとアンドロゲンの効果を検証している。前回は、メスラットで卵巣摘除群(OVX)後のエストロゲン補充により、径多シナプス性に交感神経-副腎髄質に投射し、またエストロゲン受容体を発現する扁桃体内側核、視床下部室傍核等の領域、さらにその下流の副腎、心臓でのストレス応答が低下すること、一方、心臓における心血管系保護物質の発現が増加することより、エストロゲンは自律神経系を介する間接作用、および心臓への直接作用により、情動的ストレスに対して心保護効果を示した(Circ J,2007in press)。今回、無処置、および精巣摘除オスラットにエストロゲンを慢性投与し、ストレス負荷後の心機能と心臓での遺伝子発現を検討した。オスでもエストロゲン投与により、ストレス負荷による心機能の低下が軽減した。一方、エストロゲン投与により、オスにおいても心臓における心血管系保護物質の発現が増加することを確認した(投稿準備中)。 エストロゲン受容体、アンドロゲン受容体が高度に発現している、扁桃体内側核がストレス応答における性差に深く関与すると想定し、この神経核への入力先、出力先を逆行性、および順行性トレーサー法で検討している。また、精神的ストレスが細胞レベルでは酸化的ストレスとして作用することを遺伝子発現の面から解析し、いくつかの酸化還元酵素の発現が心血管系で増加することを確認した(投稿準備中)。
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Research Products
(6 results)