2005 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化危険因子重積における多機能受容体CD36の分子異常の解明と診断法の開発
Project/Area Number |
17590705
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
中村 哲也 群馬大学, 医学部, 助教授 (10272238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉林 正彦 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00215047)
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Keywords | ゲノム / 遺伝子 / 循環器・高血圧 / 老化 |
Research Abstract |
高血圧とインスリン抵抗性は、動脈硬化危険因子の重積する病態の基礎にある。L型カルシウムチャネルブロッカー(CCB)の高血圧治療における有用性は、主に降圧作用に基づくものと考えられている。一方、レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)は糖尿病を合併した高血圧の臓器障害発症に重要である。高血圧とインスリン抵抗性、動脈硬化に関与する遺伝子発現を測定し、その相互関係、また薬物に対する反応を解明することは意義がある。 肥満糖尿病ラットOLETF(Otsuka Long Evans Tokushima Fatty)ラットと正常対照のLETO(Long-Evans Tokushima)ラットで、CCBのazelnidipineがRAASの構成因子の遺伝子発現に対する影響を検討した。30週齢OLETFとLETOの各々に、azelnidipine 0.4mg/g foodを食餌に混じた群と混じない群の4群(各群15匹)を作製した。2週間後にTrail cuff法で収縮期血圧を測定した。腎皮質、腎外髄質、左心室、胸部大動脈からRNAを抽出し、リアルタイムRT-PCRで、angiotensin type I 受容体(AT1R)、mineralocorticoid受容体(MCR)、アンジオテンシン変換酵素(ACE)のmRNAを測定した。 azelnidipine投与により、収縮期血圧は、両群とも有位に低下した。OLETFの腎皮質と外髄質のACE mRNAは、LETOより減少していたが、azelnidipineにより、さらに低下した。OLETFの腎皮質MCR mRNAは、LETOよりも上昇していたが、azelnidipineの投与によりLETOのレベルまで減少した。腎皮質と外髄質のAT1R mRNAはOLETFとLETOで差はなかった。azelnidipine投与により、腎皮質AT1R mRNAは変化しなかった。 ACEとMCRのmRNAに対するazelnidipineの作用は、糖尿病合併高血圧において、azelnidipineが降圧作用以上の臓器保護効果を示すことを期待させた。
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Research Products
(6 results)