2005 Fiscal Year Annual Research Report
心筋ミオシン分子における頭部・尾部接合部の機能的意義の検討
Project/Area Number |
17590710
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山下 尋史 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50323572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 清了 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究学科, 教授 (10272551)
佐田 政隆 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (80345214)
加藤 昌義 東京大学, 医学部附属病院, 医員 (40306345)
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Keywords | ミオシン / In vitro motility assay / レーザートラップ / ATPase活性 / Subfragment-2 |
Research Abstract |
本研究では、心筋ミオシン分子の頭部・尾部接合部(S-2)領域の機能的意義を検討するものである。初年度では、すでに発現に成功しているニワトリ平滑筋ミオシンを用いてS-2領域の欠失変異体を作製し機能解析した。S-2領域の20および49残基の欠失変異体(S-2Δ20およびS-2Δ49)をバキュロウィルス発現系を用いて発現精製し、変異型および野生型の平滑筋ミオシンの分子機能を以下の方法で解析した。(1)ATP水解活性、(2)In vitro motility assay:蛍光ラベルしたアクチンフィラメントが、ATPの存在下で平滑筋ミオシン分子上を滑り運動する速度(V)を計測した。(3)レーザー・トラップ:1本の蛍光アクチンフィラメントの両端に結合させたポリスチレンビーズを2個のレーザー・トラップで操作し、ATPの存在下で平滑筋ミオシン分子と相互作用させる。1分子のミオシンとアクチンフィラメントの相互作用は、ビーズの微小な変位として高感度4分割光ダイオードで検出される。これより1回の相互作用で生じる変位(Duni ; unitary dispalcement)と張力(Funi : unitary force)およびその持続時間(Ton)を計測した。Vは変異型で野生型に比較して低下しており、特にS-2Δ20ではS-2Δ49に比較して欠失長が短いにもかかわらず、低下が大きかった(38%vs23%)。然るに、変異型のDuni、Funiは野生型と差がなく、S-2Δ20ではTonが26%延長していた。また、ATP水解活性は変異型と野生型で差がなかった。これらの結果より、S-2領域はミオシン分子のATP水解活性には影響を及ぼさないが、モーター機能には重要な役割を果たすことが示された。また、S-2Δ20の結果より、S-2領域が7個のアミノ酸残基の周期性を有することを考慮すると、この周期性が重要であることも示唆された。
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Research Products
(3 results)