2006 Fiscal Year Annual Research Report
中高年うつ病における自殺企図の生物学的要因に関する脳画像研究
Project/Area Number |
17591235
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
伊藤 敬雄 日本医科大学, 医学部, 講師 (60318475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 善朗 日本医科大学, 大学院医学研究科, 教授 (20213663)
須原 哲也 放射線医学総合研究所, 脳機能イメージング研究開発推進室, 室長 (90216490)
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Keywords | 自殺企図 / 自殺予防 / 大うつ病 / 気分障害 / 中高齢者 / 睡眠障害 |
Research Abstract |
本邦における自殺者は3万人を8年連続で超えている。昨年度、われわれは睡眠の量的不足と不規則な睡眠習慣が、直接的もしくは間接的に自殺企図のリスクを増大させる可能性があると報告した。今年度、まず、われわれは、救命救急医療の場に搬送された自殺企図者を対象に再自殺率を調査した。自殺企図手段としては、全年齢層で向精神薬の過量服薬が極めて多く、服薬管理と服薬指導、かつ危険性に関する啓発活動が必要であると考えられた。自殺企図の背景には、その時代を反映した心理的、環境的、社会的、文化的精神病理と家族内関係の問題複雑に絡み合って存在している。自殺の背景因子把握と精神症状評価をしたうえで、長期に渡るケースマネジメントを行うことが自殺企図者に対して必要であることを報告した。また、気分障害圏、統合失調症圏、そして中高年者の自殺企図の特徴として、致死性の高い自殺企図手段を選択する場合が他群に比して多く認められた。これらの疾患と年齢における衝動性の関連において、睡眠障害の関連とともに、脳器質的要因、とくにセロトニン系の問題が示唆されている。われわれは認知症高齢者での自殺研究で、同居家族の関わり方と慢性疾患が自殺企図の危険因子と考えた。また、画像解析から、血管性認知症では基底核の多発性梗塞、アルツハイマー型認知症では左側前頭葉の萎縮が、自殺衝動性との関連性を伺わせる報告をした。今後、中高齢者の症例数を重ねることで自殺企図と生物学的要因の関連をさらに明らかにしていきたい。
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Research Products
(4 results)