2005 Fiscal Year Annual Research Report
機能的神経・精神疾患における高磁場MRIを用いた脳内分子機構の可視化と病態評価
Project/Area Number |
17591275
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
原田 雅史 徳島大学, 医学部, 教授 (20228654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶 龍兒 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00214304)
上野 修一 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (80232768)
久保 均 徳島大学, 医学部, 講師 (00325292)
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Keywords | 3T MRI / GABA / Glutamate / neurotrasmitter / MR spectroscopy |
Research Abstract |
(目的)臨床用3Tesla装置にてニューロトランスミッターに関連する代謝物として興奮性シナプスのグルタミン酸に加えて抑制性シナプスのγ-amino酪酸を中心に検出法を検討した。MEGA-PRESSによるJ-difference subtraction法を用いて脳内GABA測定を行い、分布差と正常バリエーションについて検討した。さらにMEGA-PRESSのCSI法によるマルチボクセル化を行い、GABA分布について検討を行った。 (対象と方法)対象は20-35歳の正常ボランティア(10名)である。装置はSigna 3T(Excite, GE)であり、頭部標準用QDコイルを送受信に用いた。1.9ppmを選択的に励起するMEGA-PRESSを作成し、選択的パルスを除いた測定と交互に施行し、それぞれの組み合わせを減算して加算した。測定条件はTR=1500ms, TE=64ms,積算256回,voxel=27mlである。LCModelを使用するためにGABA, NAA, Glutamine, Glutamateのphantonを作成し、MEGA-PRESSのためのbasis-setを作成した。測定部位は、レンズ核、頭頂葉白質、小脳である。抗精神薬使用前後での変化も測定を行った。また、マルチボクセル化のためにMEGA-PRESSのCSIを作成し、正常ボランティア(5名)について測定を行った。CSIの測定条件は上記と同等であるが、FOV=24cm, Matrix=8x8とした。 (結果及び考察)正常ボランティアの脳内GABA濃度は部位により異なり、小脳で最も高く、頭頂葉白質で最も低く、レンズ核では1.4mM程度であった。脳内部位でGABA濃度は異なるが、テント上では白質と灰白質の混合比によっても異なる可能性が示唆された。薬剤による変化では、ベンゾジアゼピン系では個人差があり、変化は明瞭ではなかった。CSIによる測定では全例でGABAの信号が観察できたが、測定領域の辺縁でGABAの信号が低い傾向が認められた。辺縁における選択的パルスの誤差の可能性が示唆されたが、左右差はみられなかった。 (まとめ)GABA濃度は脳内部位により異なることが示された。CSI法によりGABA分布が評価可能であったが、測定領域の辺縁では注意が必要と考えられた。これらの結果を用いて今後病態におけるグルタミン酸やGABAの変化と治療効果による変化について検討を行う予定である。
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Research Products
(4 results)