2007 Fiscal Year Annual Research Report
強度変調放射線療法による標的体積内同時ブースト法の確立
Project/Area Number |
17591300
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
西村 恭昌 Kinki University, 医学部, 教授 (00218207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中松 清志 近畿大学, 医学部, 講師 (80351633)
小池 竜太 近畿大学, 医学部, 助教 (60368339)
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Keywords | 強度変調放射線療法 / X線 / 放射線治療計画 / FDG-PET画像 / 癌 |
Research Abstract |
1、2000年以降当科で強度変調放射線療法(IMRT)を行った咽頭腫瘍74例の生存率、再発形式および晦期合併症を検討した。同時化学放射線療法の行なえた上咽頭腫瘍27例の5年生存率は75%と良好であった。中咽頭腫瘍および下咽頭腫瘍の3年生存率は、それぞれ87%と48%であった。初期の症例で計画標的体積(PTV)辺縁の再発が数例見られたが、再発の多くは遠隔転移かPTVの中央からの再発であった。照射1年後には中等度以上(G2)の唾液腺障害は1/4の症例に見られるのみであった。注意すべき晩期障害として、咽頭の線維化および狭窄による嚥下障害と甲状腺機能低下症が見られた。早期中咽頭腫瘍を対象に標的体積内同時ブースト法(SIB法)の治療計画法を確立し、肉眼的腫瘍体積(GTV)には1回2.2Gy、予防的照射野には1回1.8Gyで合計66Gy/30回の照射を3例に実施した。以上の成果は、the 5th Japan-US Cancer Therapy Symposium & the 5th S.Takahashi Memorial International Joint Symposiumにて招請講演した。 2、機能画像に基づく放射線治療計画の第一歩として、FDG-PET-CTによる放射線治療計画溝を確立させた。PET画像では画像処理条件によってFDGの集積範囲が変化する。そのためFDGの取り込みと腫瘍の大きさに合わせた適切な画像処理条件を求める必要がある。静体ファントムでの実験では直径22mm以上のファントムにおいてSUV-max(FDG活性の最大値)の35%が適正閾値であった。動体ファントムを用いた実験では、SUV-p maxは、動体ファントムの移動距離に依存し低下した。軸断面の描出直径は移動距離が0-2cmの場合は、SUV-maxの35%を閾値とすることによりPET描出像とファントムの直径がほぼ同じになった。矢状面では、描出長径は小球ファントムの実直径より大きく描出されターゲットの動きを含めるITV(internal target volume)を反映すると考えられた。以上の成果は、the 49th Annual Meeting of the American Society for Therapeutic Radiology and Oncologyにて発表した。
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