2007 Fiscal Year Annual Research Report
肺胞水分蛋白再吸収機序の活性化による肺傷害治療法の開発
Project/Area Number |
17591492
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
佐久間 勉 Kanazawa Medical University, 医学部, 教授 (90215674)
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Keywords | 肺胞水分クリアランス / RAGE / 肺傷害 / 高濃度酸素 / 人工呼吸器 / 肥満ラット / β受容体 / ナトリウムチャンネル |
Research Abstract |
1.RAGEノックアウトマウスでの研究:RAGE(Receptor for advanced glycation end products)ノックアウトマウスを用いて、肺傷害におけるRAGEの役割と肺胞水分クリアランスにおける役割を研究した。純酸素吸入による高濃度酸素肺傷害モデルと6〜30ml/kgの一回換気量によるVentilation induced lung injuryモデルを作成した。対照としてはWild-typeのマウスを使用した。乾湿重量比による肺傷害の程度を比較した。その結果、wild-typeマウスとノックアウトマウスの間に有為差を認めなかった。また、マウスでの肺胞水分クリアランス測定する実験系を作成した。ラットを麻酔下に気管内挿管し、脱血死させ、気道内に0.5ccの5%アルブミン液を注入し、30分後に注入液を採取した。アルブミン濃度の上昇より肺胞水分クリアランスを計算した。その結果、肺胞水分クリアランスはwild-typeマウスとノックアウトマウスで有為差を認めなかった。以上の結果より、RAGEは肺胞水分クリアランスに関与しない受容体であり、また、高濃度肺傷害とVentilation関連肺傷害には関与しない受容体あることが示唆された。 2.Zucker肥満ラットでの研究:脂質代謝と肺胞水分クリアランス関連を研究した。ZuckerラットのObese、LeanラットとSDラットで肺胞水分クリアランスを研究し、ナトリウムイオンチャンネル、Na,K-ATPase、β受容体の発現を調べた。その結果、Zuckerラットでは肺胞水分クリアランス機能が亢進し、α1とβ1Na,K-ATPaseのmRNA、β2受容体mRNAの発現が亢進していた。また、内因性カテコールアミンの上昇はなく、亢進した肺胞水分クリアランス機能はβ受容体の阻害剤で抑制されたことより、β受容体の機能亢進を介した肺胞水分クリアランス亢進の機序が示唆された。(論文投稿中)
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Research Products
(3 results)