2005 Fiscal Year Annual Research Report
破骨細胞と破軟骨細胞による骨長径成長の制御機序の解明
Project/Area Number |
17591578
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
高田 信二郎 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (20284292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 夏生 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00157984)
高橋 光彦 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (10372715)
柴田 瑩 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (40035556)
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Keywords | 成長軟骨板 / 破骨細胞 / 破軟骨細胞 / 成長 / 長管骨 |
Research Abstract |
我々の先行研究は、成長期のラットにビスホスホネート製剤であるminodronic acidを1回量0.5microgramを週2回、皮下投与することにより、1)大腿骨長径成長が抑制されること、2)成長軟骨板から骨幹端部における縞状の骨陰影濃度が増強されること、3)成長軟骨板、特に肥大軟骨細胞層の幅の増大とそのアポトーシスが抑制されることを示した。 長管骨長径は、成長軟骨板における内軟骨性骨化によって規定されている。破骨細胞や破軟骨細胞は、成長軟骨板における内軟骨性骨化に重要な役割を果たしている。平成17年度は、minodronic acidを投与して破骨細胞や破軟骨細胞の数と機能を抑制し、その環境下における成長軟骨板の組織学的および骨形態学的変化を解析することにより、成長軟骨板の各軟骨細胞層が内軟骨性骨化において果たす役割について解析を行った。 まず、週齢3週のラットにminodronic acidを前述の方法で6週間にわたって投与し、生理食塩水を同じ期間投与したラットとの間で、大腿骨の成長軟骨板を構成する各軟骨細胞層の変化を解析した。その結果、minodronic acidが投与された大腿骨では、1)成長軟骨板の肥大軟骨細胞におけるアポトーシスが抑制されていること、2)成長軟骨板では、破骨細胞および破軟骨細胞が減少していることがわかった。さらに、赤外分光法を用いた骨質の変化、pQCT法を用いた骨密度や骨形態(外骨膜周囲径、内骨膜周囲径など)の変化も併せて行った。その結果、minodronic acidが投与された大腿骨では、成長軟骨板に隣接する骨幹端部では、1)骨塩/骨基質比および炭酸/燐酸比が上昇していること、2)成長軟骨板に接する骨幹端部の骨密度が特異的に増加していることがわかった。この機序として、minodronic acidの投与は、成長軟骨板における内軟骨性骨化の過程で、破軟骨細胞による石灰化肥大軟骨細胞の吸収が抑制された結果、骨幹端部における骨密度を特異的に増大させたと考えた。 現在、1)成長軟骨板における軟骨細胞の成熟に関わる遺伝子群(Runx2、Cbfa1、Cbfb、PTH-rP、IHH、VEGF)の各mRNAの発現の変化、2)肥大軟骨細胞におけるX型コラーゲンの産生量の変化について、解析を進めている。
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Research Products
(4 results)