2005 Fiscal Year Annual Research Report
吸入麻酔薬が遺伝子組換え技術で再構成されたATP感受性Kチャネルに及ぼす影響
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17591636
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
田中 克哉 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (30263841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野崎 淳平 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (00304527)
大下 修造 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (60144945)
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Keywords | 吸入麻酔薬 / イソフルラン / 血管内皮細胞 / KATPチャネル / 膵臓β細胞 / パッチクランプ法 |
Research Abstract |
1 吸入麻酔薬が血管平滑筋のKATPチャネルに及ぼす影響 ラットの大動脈の血管内皮細胞由来の培養細胞(A10細胞)、ブタの冠動脈の血管内皮細胞、ラットの大動脈の血管内皮細胞いずれにおいても、吸入麻酔薬であるイソフルランは細胞膜のKATPチャネルを開口することをパッチクランプ法のセル・アタッチモードで初めて確認した。イソフルランによるKATPチャネル開口はパッチクランプ法のアウトサイド・アウトモードでは認められなかった。これらの結果はイソフルランはKATPチャネルを直接開口させるのではなく、セカンドメッセンジャーを介してチャネルを活性化していることを示唆している。 2 吸入麻酔薬による血管平滑筋細胞のKATPチャネル開口のメカニズム A10細胞にProtein kinase C (PKC)、Protein kinase A (PKA)、およびPI3-kinaseの阻害薬を前処置し、イソフルランを暴露するとPKA阻害薬を前処置した細胞のKATPチャネルは開口しないことを、パッチクランプ法で確認した。これは、イソフルランによるチャネル開口にPKAが関与していることを示唆している。 3 吸入麻酔薬による血管弛緩のメカニズム ラットの胸部大動脈をリング状に切開しその張力を測定した。血管はフェニレフリンによって収縮し、イソフルランはその収縮を濃度依存性に抑制した。KATPチャネルの阻害薬グリベンクラミドはイソフルランによる血管弛緩を抑制し、PKA阻害薬は部分的に血管弛緩を抑制した。これらの結果は、イソフルランは部分的にPKAを介するKATPチャネル開口で血管を弛緩することが分かった。 4 吸入麻酔薬が膵臓β細胞に及ぼす影響 現在、パッチクランプ法を用いて実験を行っている最中である。
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Research Products
(2 results)