2006 Fiscal Year Annual Research Report
大規模集客施設における医療需要の解析と適切な医療対応システムの構築
Project/Area Number |
17591894
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
石川 秀樹 慶應義塾大学, 医学部, 共同研究員 (60256310)
|
Keywords | mass-gathering / 集団災害 / 大規模集客施設 / 医療需要 / 救急医療体制 |
Research Abstract |
1.昨年度に引き続き、近隣の大規模集客施設における医療を必要とする傷病者の発生状況や医療対応状況の把握に努めた。調査対象とした施設のうち、医療対応の過去の記録が比較的よく保存されていた明治神宮野球場の状況を論文にまとめることができたため、医学雑誌に英文で投稿した。プロ野球場における医療対応に関する論文は、海外でも稀少であり、国内では初めての報告となる。この成果をもとに、より円滑な医療対応を具体化する提言を行う予定である。 2.大規模集客施設における医療需要を受け入れる立場として、院内教育の一層の充実を図ることとした。その端緒として、 (1)初期臨床研修医・新規入職者(医療職・事務職とも)に対し、災害時の医療を周知する講演を平成18年4月に初めて行った。この活動は平成19年度以降も継続される予定で、既に本年も4月に終えている。 (2)さらに初期臨床研修医に対しては、災害医療に特化したoff-the-job trainingを救急研修中に組み込み、その中でトリアージ・多数傷病者発生時の患者動線の確保などを机上シミュレーション形式で行いながら、当大学病院の地理的位置から生ずる社会的責任を周知する機会を設けた。 このうち(2)の活動に関しては、教育対象となった研修医諸氏から好意的に受け止められたため、その研修内容や研修医の受容の状況を、第11回日本集団災害医学会(平成19年1月於名古屋市)で口演発表した。
|