2007 Fiscal Year Annual Research Report
大規模集客施設における医療需要の解析と適切な医療対応システムの構築
Project/Area Number |
17591894
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
石川 秀樹 Keio University, 医学部, 講師 (60256310)
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Keywords | 医療準備 / 救急医療体制 / 防災・減災 / 社会医学 / mass-gathering / イベント / スポーツ / 医療連帯 |
Research Abstract |
1.前年度に引き続き、近隣の大規模集客施設における医療を必要とする傷病者の発生状況や医療対応状況の把握に努めた。調査対象のうち、過去の医療対応記録が比較的よく保存されていた明治神宮野球場の状況を英文論文にまとめ公表した。プロ野球場における医療対応に関する論文は海外でも稀少であり、国内では初の報告となる。この成果をもとに、類似する諸施設に対して、より円滑な医療対応を具体化する提言を、積極的に行う予定である。 2.大規模集客施設における医療需要を受け入れる立場として、院内教育の一層の充実を図った。(1)病院の全職員を対象に、災害時の医療を体験する訓練を平成19年11月の平日・日中に初めて行った。この活動は平成20年度以降も継続される予定で、さらに職員向けの講習会も計画している。(2)大学病院の初期臨床研修医に対しては、多数傷病者の発生を想定したoff-the-job trainingを救急部門研修中に継続したが、教育対象者には他のOJTに比してもたいへん好評で、研修内容や研修の受容状況を、第13回日本集団災害医学会(平成20年2月於つくば市)ほかの学会で口演発表した。(3)非常勤講師として医学部学生に講義する際、研究の成果を披露しつつmass-gathering medicineの周知を図った。 3.以上の研究姿勢が評価され、平成20年度から東京都医師会の救急委員に委嘱された。これを契機として、都をはじめとする行政側・消防庁などの諸機関と一層の連携強化を図った。平成19年11月には三宅島バイクレースで、平成20年2月には東京マラソンで医療支援を展開したが、そのデータ分析を元に、さらに大きな催事に対する医療対応システムモデルの確立に努める所存である。
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Research Products
(2 results)