2005 Fiscal Year Annual Research Report
骨軟骨血球系の統合形成におけるトランスモジュレーターとしてのCCN2の役割
Project/Area Number |
17591938
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
久保田 聡 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (90221936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝川 正春 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20112063)
服部 高子 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (00228488)
椋代 義樹 岡山大学, 歯学部, 教務員 (50325099)
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Keywords | CCN2 / CTGF / 骨髄 / 軟骨 / 血球 |
Research Abstract |
1.骨髄組織および血球系細胞におけるCCN2の産生状況と分布の解明 CCN2産生および標的細胞の特定:研究代表者らは昨年度、血小板に多量のCCN2が存在することを発見、論文にて報告した。この事実に立脚し、本年度はCCN2の骨髄における産生者とその分布の探索を開始した。まず巨核球前駆細胞の表現型を良く保っているヒト細胞株、CMKを共同研究者より入手し、そのCCN2 mRNAの発現量およびタンパク質産生量の定量を行ったが、いずれも定量限界値以下であった。したがって血小板CCN2は分化後期の巨核球自身によって産生されるか、もしくは他の細胞により分泌されたものがエンドサイトーシスによって取り込まれて貯蔵される可能性が強くなった。続いて骨髄組織標本を作製・解析し、in vivoにおけるCCN2の細胞内取り込みに関連するタンパク質を探索したところ、CCN2との相互作用が疑われている細胞表面分子、EphA4が巨核球表面に存在することを示す所見を得た。今後は以上の所見に基づき、さらに詳細な解析を進める。 2.CCN2と骨髄の他の機能分子(サイトカイン、成長因子など)との相互作用の解明 骨髄形成途上で骨髄を取り巻いている軟骨細胞はCCN2を大量に産生している。まず本年度はそのCCN2が軟骨細胞に働き、単球系細胞の分化に重要なサイトカイン、M-CSFを産生させうることを論文にて報告した。さらに、CCN2と直接相互作用する分子を探索するために、相互作用のためのインターフェースであるCCN2の各モジュールに対し、「モジュール固有標的アミノ酸配列」のスクリーニングを行った。マイクロアッセイ用プレートの底面に単独モジュールタンパク質をコーティングし、そこにランダムな12アミノ酸残基を表面に呈示するバクテリオファージを作用させ、結合するファージをクローン化することにより、各モジュールあたり10前後の結合アミノ酸配列を決定した。このデータの応用は来年度の課題である。
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