2005 Fiscal Year Annual Research Report
覚醒サル三叉神経損傷後の異常疼痛発症に関与するグルタミン酸受容体の役割
Project/Area Number |
17591952
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
岩田 幸一 日本大学, 歯学部, 教授 (60160115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平場 久雄 日本大学, 歯学部, 講師 (00156689)
北川 純一 日本大学, 歯学部, 助手 (50373006)
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Keywords | 三叉神経 / 延髄 / 熱刺激弁別行動 / 逃避行動 / グルタミン酸受容体 / N型カルシウムチャンネル / 覚醒サル / TRPV1 |
Research Abstract |
本年度はカプサイシンを顔面皮膚に塗布し、痛覚過敏モデルサルを作製した。また、同モデル動物にN型カルシウムチャネルブロッカーを経口的あるいは経鼻的に投与し、サルの行動変化について検索した。また、延髄硬膜下にマイクロカニューレを挿入し、APV(NMDA受容体拮抗薬)あるいはCNQX(AMPA受容体拮抗薬)を投与し、熱刺激弁別課題に対する影響について検索した。現在までに2頭のサルについて検索を行った。従来の研究では、それぞれの拮抗薬をサルに投与した研究結果が報告されていないため、投与量をラットに関する研究結果に基づいて決定した。まず、痛覚過敏モデルサルの作製であるが、0.004Mカプサイシンを顔面皮膚に塗布して30分経過した後に、非侵害刺激であるT144℃刺激を与えた。カプサイシン処理によって、熱刺激弁別課題における逃避行動の増加、非弁別トライアルの減少、弁別時間の短縮が認められた。このような変化は、冷刺激に対する課題においても観察されたことから、冷覚過敏においてもTRPV1受容体が関与する可能性が明らかになった。熱刺激弁別課題において、これらの変化はN型カルシウムチャネルブロッカーを投与することにより、ほぼカプサイシン処理前の状態に戻ったが、冷刺激弁別課題においては戻らなかった。また、延髄硬膜下腔へのグルタミン酸受容体拮抗薬投与に対し、現在までに有意な変化は認められていない。これは投与量、投与時間などが原因となっていると考えられる。来年度はさらに、投与量や投与時間等を検討し、研究を進めていく予定である。
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