2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17592154
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
野田 晃司 鶴見大学, 歯学部, 講師 (10148059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 芳樹 鶴見大学, 歯学部, 講師 (10097321)
及川 崇 鶴見大学, 歯学部, 助手 (60386919)
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Keywords | ラチェットブラケット / 矯正装置 / 断続的矯正力 / 痛み / 至適矯正力 |
Research Abstract |
1回の操作で0.26mmの歯の移動が生じるラチェットブラケット(ratchet bracket)をビーグル犬の上顎犬歯および第三切歯の移動に用いた実験では、これら移動歯の歯根表面積に大きな差があるにも関わらず、両歯ともラチェット操作回数に一致した歯の移動が認められ、歯の移動量には差が認められなかった。これは、歯種(歯根表面積)の違いにより矯正力の強さを変える必要のある持続的矯正力による歯の移動法とは異なったものであり、ラチェットブラケットを用いて歯根膜幅径程度のわずかな歯の移動を断続的に繰り返す移動法は、歯種や矯正力の強さを考慮することなく、ラチェットの操作回数で歯の移動(量)をコントロールできることが示唆された。他方、牽引領域ではテトラサイクリンやカルセインでラベルされた歯槽骨の旺盛な形成が認められ、それに伴って歯根膜にある血管組織が骨中に埋入される様相も観察された。この結果から、このような断続的矯正力が骨形成の誘導に効果的であることが示唆された。 急速拡大ネジを改良し、ラット上顎第一臼歯を近心に30μm、60μm、90μm移動する歯の断続的移動実験では、30μm、60μmの実験群には圧迫歯根膜に変性組織が認められなかった。また、60μm群では圧迫側歯根膜の幅径が牽引側の約1/2程度となり、TRAP-positiveな破骨細胞が骨表面、圧迫領域周辺および圧迫領域に近接する骨髄腔内壁に多数認められた。この結果はビーグル犬の実験結果を支持するものであり、歯根膜の幅径程度の断続的圧迫が圧迫領域歯根膜の吸収様相を積極的に活性化し、歯根膜の改造を助長・加速する可能性が示唆された。他方、牽引側では骨表面に肥厚した骨芽細胞が認められ、積極的な骨形成が示唆された。
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Research Products
(2 results)