2006 Fiscal Year Annual Research Report
心理テストを用いた歯科研修医の医療事故防止に関する継続的研究
Project/Area Number |
17592176
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
清水 チエ 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 講師 (20162703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大山 篤 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助手 (50361689)
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Keywords | 医療事故防止 / 歯科研修医 / 心理テスト / ニアミス / アクシデント |
Research Abstract |
我々はこれまでに、歯学部附属病院初診患者のストレス状況ならびに歯科臨床研修協力患者のストレス状況を数種類の心理テストを用いて分析した。また、H15年度とH16年度の研修歯科医の医療事故に関する集計ならびに研修歯科医の心理特性の分析を口腔診断学会雑誌に投稿した。 1、心理的特性の分析(平成17年度分の分析) SDSでは約62,5%の者が抑うつ傾向のない正常領域で、中等度以上の抑うつ傾向を有する者は1名であった。CMIでは約87,5%の者が神経症傾向のない正常領域であり、IV領域の者はいなかった。MASでは約67,3%の者には、自覚しうる顕在性の不安傾向がなかった。STAIでは、アクシデント(+)群に特性不安・状態不安の高いものが多く、アクシデント(-)群に特性不安・状態不安者の低いものが多い傾向が見られた。STAIでは、平成17年度と同様の傾向が確認された。 2、研修医の医療事故に関する年間集計(平成18年度分の集計) (1)事故の分類別では、切削器具による口腔内・口唇の損傷が3件、気分が悪くなった事故が2件、その他、補綴治療中の歯の脱落、切削器具の誤嚥、薬液の漏洩、ピンセットによる損傷、術者自身の軽い火傷(額・鼻)、術者自身のファイル刺しが、それぞれ1件ずつであった。 (2)発生時間帯別の事故の頻度では、午前・午後共に、特に発生頻度の高い時間はなかった。 (3)患者の後遺症の有無については、後遺症の残った例はなかった。 (4)同一の研修医が2度医療事故を起こした事例が1件あった。 (5)ニアミス(ヒヤリ・ハット)の経験は、約75,0%の研修医が経験ありと回答した。最も多いニアミスがバーの着脱に関するニアミスで19件、次にタービン・バーによる損傷のニアミスで9件であった。アクシデント(医療事故)の経験は、約19,2%の研修医が経験ありと答えた。事故の内訳は(1)に記した通りである。平成18年度分の研修歯科医の心理テストの分析については、3月未に集計したため、一部現在も分析中である。
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Research Products
(2 results)