2006 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の口腔保健向上のための大豆ペプチド利用に関する研究
Project/Area Number |
17592182
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
日野出 大輔 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (70189801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 英二 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00144973)
吉岡 昌美 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90243708)
横山 正明 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (10314882)
福井 誠 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (50325289)
嶋田 順子 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教務員 (10170945)
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Keywords | 大豆ペプチド / 日和見感染 / Candida albicans / Candida glabrata / 生育阻害 / 唾液 / 要介護高齢者 / サブスタンスP |
Research Abstract |
高齢者の日和見感染に関与するCandida albicans, C.glabrataを用い、企業より供与を受けた脱脂大豆ペプチドおよび大豆蛋白質成分の1つであるβコングリシニンをトリプシン消化したペプチドを培地に添加して3,8,22,33時間後の生育状態を観察した。その結果、培養3時間後では無添加のコントロール群と比較して、2種の大豆ペプチドとも両Candidaの生育阻害を認めた。しかし、その後添加群の生育はコントロール群を上回る結果となった。初期の生育阻害に特定の大豆ペプチドが関与する可能性が考えられたため、脱脂大豆ペプチドをゲル濾過にて分子量約10,000のFr.Iと約2,000のFr.IIに分離し、それぞれを作用させた1時間後の菌数を培養法にて調べる阻害実験を行った。複数回の実験データにばらつきはあったものの、C.glabrataに対して分離前サンプルでは約30%の阻害を示し、Fr.Iでは60%以上の生育阻害を示した。また、大豆由来ペプチドで抗酸化作用が報告されているLLPHHを用いて、上述と同様な阻害実験を行ったところ、C.albicansに対する阻害はなかったが、C.glabrataに対して2.5mg/mlで23%、12.5mg/mlで42%の生育阻害を示した。これらの結果は、低タンパク高齢者の栄養改善に大豆ペプチドを応用した場合、口腔内に残留する大豆ペプチドがCandida生育阻害に効果を示す可能性を示唆している。 一方、本研究に対して同意の得られた要介護高齢者から安静時唾液を採取し、嚥下反射に関与するサブスタンスP(SP)量を調べた。その結果、SP量は残存歯数と正の関連性を示した。大豆ペプチドにはSP量を増加させる可能性のあるアンギオテンシン変換酵素阻害剤と同様な作用成分を含んでおり、本結果は大豆ペプチドを誤嚥性肺炎予防に応用するための有用なデータとなる。
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Research Products
(3 results)