2005 Fiscal Year Annual Research Report
表出言語と知能に障害をもつ病児の電子合成音声による認知開発と社会参加への看護支援
Project/Area Number |
17592260
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
大脇 万起子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 助教授 (00280008)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
法橋 尚宏 神戸大学, 医学部, 助教授 (60251229)
|
Keywords | 障害児看護 / 家族看護 / 知的障害 / 表出言語の障害 / 電子合成音声 / 認知能力の開発 / オーサリングソフトウェア / 社会参加 |
Research Abstract |
本年度は初年度であり、まず、電子合成音声補助具の内容に関するニーズ調査を行った。結果、内容・仕様のニーズについては、その家族の文化的価値概念・生活習慣が多種多様であり、個々の家族がそれぞれの生活で活用できる補助具を想定すると、プリセットする音声内容の標準化が非常に困難であることが明らかになった。 そこで、標準化した音声を使用するのではなく、音声は母親もしくは父親が自分でパソコンに向かって録音し、それを自動的に父親の声は男児の声に、母親の声は女児の声に変換するシステムを開発した。 使用機器については、研究開発後の臨床現場への普及を容易にするため、市販タブレットPCを使用することにし、知的障害があり、巧緻性も低い対象児が使用可能で最軽量のものを検索し990gのFUJITSU FMV-P8210(Windows(R)XP TabletPC Edition)を用いることにした。また、今回、携帯して使用することが前提であるので、移動時の携帯負担感の少なさと機材保護を重視した携帯用ケースを開発した。 また、動作はタッチパネル画面で行うが、数量に制限のあるアイコンについても、上記の理由により、標準化が困難なため、自由にテキストを入力し,それをボタンに表示するようにした。また、アイコンの表示ボタンは弱視者にも識別が容易なように濃い色にし、認知を容易にするシンボリックなイラストも準備した。さらに個別的な認知を容易する写真などの画像を保護者が自由にアイコンに貼り付けられるように設定した。 本年度は以上の内容のα版およびβ版の電子合成音声オーサリングソフトウェアの開発をもって終了した。今年度準備した機器およびソフトウェアにより、次年度は実践検討に入る予定であり、モニターの募集・選定・依頼も終了している。
|