Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 啓一 日本大学, 経済学部, 教授 (00102442)
中川 大 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30180251)
松中 亮治 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (70303849)
柄谷 友香 京都大学, 工学研究科, 助手 (80335223)
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Research Abstract |
1)環境問題追求型都市アメニティの要素抽出および計量化 京都市を対象として,人口集中に伴い発生してきた交通渋滞,大気汚染,水質汚染等の都市生活に悪影響を及ぼす環境問題を抽出した.また,当該都市の利害関係者(産・学・官・民)を対象として,CVMに基づくアンケート調査を実施した.すなわち,「ある(ここで抽出された)環境問題を緩和することに対して,いくら支払ってもよいか」と支払額を尋ね,都市における環境問題追求型アメニティの価値観を定量的に把握した. 2)利便性追求型都市アメニティの要素抽出および計量化 都市での生活は,経済的利益のみならず,多種多様なサービスを受けることができる.例えば,小売店,飲食店の深夜利用やそれに伴う公共交通の深夜運行,夜景やライトアップ等のサービスは,生活の利便性や潤いを高める.ここでは,多種多様な都市サービスの享受による生活の利便性や潤いを,当該都市の利害関係者(産・学・官・民)を対象としたCVMアンケート調査やトラベルコスト法,消費者余剰法によって計量化した.すなわち,ある都市サービスを受けるための制度や施設に対する支払い意思額を明らかにし,都市における利便性追求型アメニティの価値観を定量的に把握した. 3)都市アメニティのバランスに配慮した環境負荷低減施策の提案 上記1)と2)で取り上げた「環境問題追求型都市アメニティ」と「利便性追求型都市アメニティ」は,互いにトレードオフの関係にある.今後,急速に都市化が進む中で,環境負荷の低減を中長期的かつ持続的に実施していくためには,両者のバランスに配慮した施策の提案が必須であることを示し,ここでは,上記1)と2)で得られた2種類の都市アメニティの価値を比較しながら,当該都市が有する課題の検討と,その解決に向けた複数の施策の提案を行った.
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