2005 Fiscal Year Annual Research Report
既存の都市資源を再編し、サステイナブルシティを実現するための政策研究
Project/Area Number |
17601008
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
矢作 弘 大阪市立大学, 大学院・創造都市研究科, 教授 (40364020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡部 明子 千葉大学, 工学部, 助教授 (70361615)
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Keywords | 都市規模の縮小 / 成長管理 / 都市再生 / 人口減少 / 環境制約 / 持続可能な都市 / スプロール / 減築 |
Research Abstract |
コンパクトシティ論や成長管理政策などと比較しながら、「都市規模の創造的縮小」政策の今日的意味とその都市論における位置づけを明確にした。環境保全の重視や車社会に対する批判的視点から、いずれの都市論でも、(1)郊外のスプロール型開発の抑制(2)既存の都市資源の再生、再利用を目的として中心市街地の活性化--を中心的な政策課題としているが、コンパクトシティ論、成長管理政策では「都市に開発拡張力がある」ことを前提としているのに対し、「都市規模の創造的縮小」では「都市に開発拡張力はもはやなく、「縮小の創造的管理」が課題となっている」ことを明らかにした。 具体的には、旧東独の「縮小都市政策」に関する資料整理、現地調査(ライプチヒ、ハレ、ライネフェルデなど)、小樽など日本の地方都市でのインタビュー調査を通じてその事実を確認する作業を行った。 スプロール型開発の典型事例の1つに郊外立地の大型店問題がある。「都市規模の創造的縮小」の考えに立ち、郊外立地型大型店問題をどのように理解すべきかを整理した。同時に、欧米諸国・都市の大型店規制政策を援用しながら、大型店立地規制政策に関する幾つかの提言を試みた。 また、地域循環型経済を構築する際に、郊外立地型大型店を規制し、「都市規模の創造的縮小」につなげることの意義を明らかにした。 東欧諸国都市は社会主義体制から市場社会へ社会経済体制の転換に伴い「都市規模の縮小」を迫られているが、脱工業社会を迎えたほかの欧州都市も同様に、「都市規模の創造的縮小」が都市政策課題となってきている。そうした経済構造の転換と同時に、「環境容量の枯渇」に対する危機意識が、「都市規模の創造的縮小」の思想的背景にあることを探るために、欧州連合の都市環境政策の基本構想となったといわれる「環境緑書」を「都市規模の創造的縮小」の問題意識から読み解く作業を行った。
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Research Products
(4 results)