Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 富夫 大阪市立大学, 文学研究科, 教授 (30135040)
矢部 拓也 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (20363129)
田中 耕一 徳島大学, 総合科学部, 講師 (20372716)
豊田 哲也 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (30260615)
高木 恒一 立教大学, 社会学部, 助教授 (90295931)
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Research Abstract |
1.東京圏の社会・空間構造分析 "東京"の空間的範囲を特定することから検討を開始した.分析に用いたデータは,1990・2000年の国勢調査データである.分析および表章の単位は,基準地域メッシュ(1kmメッシュ)を用いた.まず,東京大都市圏を特定するために,南関東に属する12067メッシュを対象として,等質的地域区分の析出を行った.その結果,6つの等質的地域が析出され,そのひとつである「農山漁村地区」以外を東京大都市圏(9747メッシュ)とした.この東京大都市圏を対象範囲とし,1990年および2000年のそれぞれについて等質的地域区分の析出を行った.その結果,a)1975年から90年にかけて明瞭に見られたブルーカラーベルトはホワイトカラー層によって蚕食されその特徴を失いつつあること,b)1990年には特徴的に見られた上層ホワイトカラー専業主婦ベルトも東京大都市圏の中心部を分厚く占領する高密度・上層ホワイトカラー流入地区の一部に埋没するようになったこと,それらの変化によってc)1990年までの東京に見られた東京大都市圏全体に拡がる同心円構造の明確化という方向性が,1990年以降,一層進行していることが示唆された. 2.京阪神圏の社会・空間構造分析 一方,京阪神圏の分析は,1980・90・2000年国勢調査データに基づきながら,経済のバブル化,グローバル化,脱工業化といった社会変動が生起・本格化する以前の社会・空間構造分析から開始した.対象範囲は,京都市,大阪市,神戸市を「中心市」とし,「中心市」への通勤・通学者率が1.5%以上であり,かつ「中心市」と連接している市町村によって構成される範域とした.データは国勢調査から得,主として職業階層について分析を行った.その結果,1980年段階では明瞭であった職業階層の同心円構造は,この20年の間に不明瞭化したことが示された.
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