2008 Fiscal Year Annual Research Report
小中高生の生きる力を高める芸術系総合学習のカリキュラム開発・過疎地域と芸大の連携
Project/Area Number |
17602010
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Research Institution | Tokiwa University |
Principal Investigator |
松原 哲哉 Tokiwa University, 人間科学部, 准教授 (60351368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 憲一 京都造形芸術大学, 芸術学部, 教授 (90134147)
椎原 保 京都造形芸術大学, 芸術学部, 非常勤講師 (80411312)
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Keywords | お窯プロジェクト / 過疎地域と大学の連携 / 地域特性の再発見 |
Research Abstract |
今年度は、五感による「ものづくり」のための始原的な道具、お窯を利用した二種類のプログラムを企画し、黒田村で実施した。第一番目は、村内にある京都造形芸術大学の陶芸施設で吉川充教授が講師を務めた4回の陶芸講座である。この中で、小中高生のみならず黒田の老若男女約40名が、塑形から焼成に至る一連の陶芸制作と作品講評会を体験し、自らの手で生み出した食器・花器・オブジェによって自身の生活をデザインする可能性を探った。 第二番目は、石窯制作とパン焼きの専門家、竹下晃朗氏の指導により、造形大の学生と村人の協同で実現した石窯プロジェクトである。先ず、夏休み中に、村の中央広場の一隅に共同体のシンボルとしてパン焼き用の石窯施設を設置し、秋にこの広場で開催された野菜祭りで、黒田産の米をパン粉に加工し、山の間伐材を薪に利用して子供達と黒田地産の石窯パンを焼き、村外の買い物客からも好評を博した。村全体の3つの底力、自治会を中心に結束する村の男性陣の「マンパワー」、彼らの高度な左官・木工加工・大工技術が示す「ものづくりパワー」、黒田村の特性を生かしたパン開発と子供達の食育に向けて、原料生産から加工・調理・販売方法までを検討しようと村の女性陣が立ち上げたパン焼き研究会の「ウーマンパワー」が発揮されることになったこの計画は、参加した村の子供達に加え、協力した学生達にも「生きる力」を学ぶ絶好の機会となった。 以上の黒田村での試行を踏まえ、昨年11月から茨城県の常陸太田市の青年会議所および市役所の市民協働課と連携し、過疎問題を抱える同市で子供達と母親を対象に、4種のお窯を使って食育と景観の再生をおこなう「お窯プロジェクト」に着手し、現在推進中である。
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Research Products
(6 results)