2006 Fiscal Year Annual Research Report
結合神経ベクトル場のカオス的遍歴とその情報処理への応用
Project/Area Number |
17650056
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
津田 一郎 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (10207384)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 健司 北海道大学, 大学院理学研究院, 助教授 (80183953)
行木 孝夫 北海道大学, 大学院理学研究院, 助手 (40271712)
藤井 宏 京都産業大学, 工学部, 教授 (90065839)
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Keywords | カオス的遍歴 / FitzHugh-Nagumo方程 / 結合微分方程式モデル / 擬似アトラクター / μモデル / 不変部分空間 / ソフトコンピューティング |
Research Abstract |
高次元力学系の特徴的なダイナミックスのひとつとしてカオス的遍歴を神経情報モテルで研究することによって、ソフトコンピューティングの新しい方式を明らかにすることを目的として研究を行なった。カオス的遍歴は擬似アトラクター間のカオス的な遷移過程である。I型ニューロンの結合系のモデルを結合した微分方程式で与えた。このI型ニューロンのモデルの中で最も簡単なモデルとしてμモデルを提案した。これはII型ニューロンの最も簡単な数学モデルであるFitzHugh-Nagumo方程式に対応するものである。 μモデルのサドル・ノード分岐後のサドルとノードが対消滅した状態にパラメーターを固定し、この状態でモデルを最近接結合させた。全同期解の線形安定性を解析した。全同期解を不安定化させる第一モードは非対称のメタクロナール波であり、その固有関数は三角関数であらわされることがわかった。このモードはそれ自体不安定である。それらの解をすべて求め、ダイナミックスにおけるこれらの解の間の関係、トポロジーを求めた。対称メタクロナール波解、全同期解、位相カオス解は鏡映対称な不変部分空間解に存在するという群構造を持つ。非対称メタクロナール波解はこの不変部分空間の外に存在し、これらの間の遷移がin-out間欠性で与えられることがわかった。前同期解を与える第一成分の値でボアンカレ断面を定義し、ボアンカレ写像を数値的に求め、カオス的遍歴の出現機構を研究した。不変部分空間に横断的なリアプノフ指数を計算した結果、リドルドベイスンが存在することを確認した。しかし、これが遍歴のすべての機構を与えるかどうかはまだ解析できていない。
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Research Products
(9 results)