Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪井 利憲 東京工科大学, コンピュータサイエンス学部, 教授 (20329171)
大山 恭弘 東京工科大学, バイオニクス学部, 教授 (00233289)
苗村 潔 東京工科大学, バイオニクス学部, 講師 (90302752)
天野 直紀 東京工科大学, メディア学部, 講師 (10367203)
石井 千春 工学院大学, 工学部, 助教授 (80296079)
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Research Abstract |
本研究の目的は,日常生活で現れる手の動き(箸や鉛筆の使い方,紐結び等)を時系列データとして取得し,動きの特徴を表す特徴量を抽出して保存する(アーカイブ(archive)と称す)とともにこの特徴量をハンドガイド(写真参照,手に装着して自動制御によりワイヤー型アクチュエータで5本の指を動かす)に送ることにより,ハンドガイドを手に装着した人間に,力覚として手の動きそのもののインストラクションを行えるようにすることにある。 本年度では,複数の被験者(10人)が複数の実験回数をこなして,その測定した手の動きデータを分析して,次の知見を得た。 ・指関節角度の時系列データに対する主成分分析法により,第1主成分が,動きの巧みさの指標となりうることがわかった。 ・指関節角度の時系列データのうち,箸使いでは,人差し指と中指の間の角度に対する標本分散が,箸使い上手さの指標となりうることがわかった。 ・玉回しでは,親指を含めた3本の指先関節が周期的に動くことが上手さの鍵となることがわかった。 また,手の動きに関連して,次の知見を得た。 ・手の力覚を用いて,人間の周囲にある障害物環境を認識できるという視覚の代替感覚を実現できることを明らかにした。 ・人間がレクリエーションの一環として太極拳の動作を行うとき,手先の動きが重要であることが判明した。これは上手に動こうとするときの指標として,手先でバランスをとったり,スムーズな動作移行のときに手先反動を用いているためで,人間の動作と手の動きとの関連性に注目することが必要であることがわかった。 発表および情報交換において,アーカイブするための手動作の特徴量は,手そのものの動きのみならず,身体の動きそのものや,それに伴う力覚も考慮する必要があることが改めてわかり,これを今後反映させていく予定である。
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