2006 Fiscal Year Annual Research Report
高アルベドサツマイモによる熱環境緩和効果の高い屋上緑化技術の開発
Project/Area Number |
17651047
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
足立 文彦 島根大学, 生物資源科学部, 助手 (10335549)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門脇 正行 島根大学, 生物資源科学部, 助手 (00379695)
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Keywords | 屋上緑化 / 植被 / 群落構造 / 反射率 / サツマイモ / 潜熱 / 熱収支 / ヒートアイランド |
Research Abstract |
過密な葉群構造から蒸散が抑制されていることが前年の研究結果から示唆された黄緑色系の「高アルベドサツマイモ」であるテラスライムについて、人為的に群落構造(植被高)を改変した場合の潜熱量の増大と気温の低減効果を明らかにした。 島根大学生物資源科学部3号館屋上に設置した高さ0.1mの木枠内に屋上緑化用軽量土壌をいれ栽培圃場とした。葉身の色・形状が従来品種と異なるテラスライム(黄緑丸葉)を5月下旬に、栽植密度2.5株/m2で移植した。潅水は自動潅水器を用い約8mm/dayを与えた。植被が完全に覆われる前の7月中旬から仮設資材を用いて植被の高度を変化させるための棚を作成し、サツマイモの蔓を誘引した。棚の高さは高(80cm)・中(60cm)・低(40cm)の3段階とした。8月下旬から熱収支式各項(Rn、LE、H、G)、地温、体積土壌水分含量を測定するとともに、群落構造を測定した。 人為的に植被高を変化させた場合、サツマイモ収穫期の群落構造は異なった。棚を高くした揚合の葉数は一般的な栽培管理(低)に比較して葉数が48%増加した。ただし、棚に蔓を誘引した場合には個葉の葉面積は小さくなった。地上部バイオマス重は誘引によって増加したが、反対に塊根収量は減少し、その結果、全乾物重にはほとんど差が見られなかった。誘引による熱収支への影響は、棚によって群落高度を増加させた場合、潜熱量がわずかながら増加し、群落高度が高い場合の気温はわずかに低くなった。ただし、もともとの気温プロファイルの影響は除外できないので、今後誘引によって群落高度を増加させた場合の効果をさらに解析する必要がある。
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