2005 Fiscal Year Annual Research Report
高密度測点重力探査による基盤構造及び堆積層分布データ取得の試み
Project/Area Number |
17651100
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤光 康宏 九州大学, 大学院工学研究院, 助教授 (10264095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西島 潤 九州大学, 大学院工学研究院, 助手 (40315114)
江原 幸雄 九州大学, 大学院工学研究院, 教授 (10002346)
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Keywords | 重力探査 / 重力異常 / 警固断層 / 福岡県西方沖地震 / 基盤構造 / 堆積層 / 福岡市 / 建造物被害分布 |
Research Abstract |
地震による建造物等の被害分布は基盤構造と関係していると考えられている。広域の基盤構造探査の一つとして重力探査があり、1995年の阪神・淡路大震災の後、福岡市内において既に福岡県による活断層調査等で警固断層を対象とした重力探査が実施されているが、測定点の間隔が広いため警固断層の全体像や詳細な形状は捉えられていなかった。平成17年3月20日に発生した福岡県西方沖地震では、福岡市及びその周辺地域で様々な被害が生じた。そこで、平成17年度は福岡市南区高宮地区、中央区警固・赤坂・今泉・天神地区及び港湾部を中心に、高密度に測定点を配置した(測定点間隔50〜100m)重力探査を実施し、これまでの結果と合わせて福岡市の中心部から博多湾までの地域の詳細な重力異常図を作成すると共に、この重力異常図から地震災害への考察も行った。重力測定には既存の2台の相対重力計を用い、また測定点の座標(緯度・経度・標高)の決定は、本研究で導入したGNSS受信機及び福岡市発行の1/2500都市計画図を用いた。 作成した重力異常図には、西から東に向かって重力が急激に小さくなる部分が福岡市の中心部を北西-南東方向に連続しているのが示されており、これが警固断層に伴う基盤の段差部分に対応している。また警固断層の東側では低重力部が広がっており、これが地下鉄工事等で行われた調査ボーリングで推定された、厚い堆積層で覆われる天神凹地に対応するものと考えられる。1994年発行の5万分の1地質図幅「福岡(14)第51号」では、警固断層の位置が一部示されていないが、得られた重力異常図では地質図上の断層位置不明箇所においても基盤の段差部分が見られた。 この重力異常図に、日本建築学会により調査された警固・今泉地区での福岡県西方沖地震による建造物被害分布を重ねると、被害の大きい建築物は低重力部に集中していることが示された。
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