2006 Fiscal Year Annual Research Report
メディア言語におけるジェンダー・フィルターに関する研究
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17652043
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
水本 光美 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (80326462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福盛 壽賀子 北九州市立大学, 国際環境工学部, 非常勤講師 (40398467)
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Keywords | 女性文末詞 / 使用実態調査 / 現代の20代から30代の女性 / 実際の会話 / テレビドラマ / 脚本家の意識 |
Research Abstract |
今年度の研究では、以下の計画した項目をほぼ実施出来た。 1.現代若者(女性)の「女性文末詞」(わ系、かしら、Nよ、のよ、のね)不使用実証実験調査 (1)20代と30代の女性同士の会話(特定の設定条件下によるロールプレイ)を録音により収集 (2)収集した会話のスクリプト化 (3)スクリプトの分析 (4)分析結果のデータまとめ 2.テレビドラマ、外国ドラマおよび外国映画の吹き替えの「女性文末詞」使用実態調査続行 (1)放送中の昼ドラマの収録 (2) (1)より20代〜30代女性の台詞をスクリプト化 (3)スクリプトの分析 (4)「女性文末詞」使用の統計算出 (5)分析結果のデータまとめ 3.ドラマの脚本家へのアンケート調査・その結果分析続行 (1)アンケート調査実施(回答者80名、有効回答率25.24%) (2)調査結果の集計と統計分析 4.研究成果中間発表:北九州市立大学紀要「国際論集」第5号へ投稿、掲載 上述の調査研究より、次のことが明らかになった。 1. 20代から30代の現代女性には、ドラマの中の同年代の若者のように主張度の強い場面で女性文末詞を使用するという特徴を見いだすことが出来なかった。これより、現代の若い世代の女性たちの間からは、主張度の強い場面に関わりなく女性文末詞が消滅しつつあるということが実証された。 2.脚本家へのアンケート調査より次のことが分かった。 (1)61%が、ドラマの登場人物には実際に話されているかどうかより、登場人物のキャラクターを伝えやすい話し方や状況設定にあわせた話し方をさせている。 (2)女性ことばについて脚本家が持つイメージは、「女性的でやわらかい」「上品」「美しい」が上位を占める。 (3)71%の脚本家が登揚人物に女性文末詞を使い、そのステレオタイプとしては、20代から30代では箱入り娘、知的職業、裕福、中流以上、などがあげられる。 次年度は、脚本家の意識調査に見るジェンダー・フィルタ分析をさらに進め研究を完成したい。
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Research Products
(1 results)