2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17652075
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Research Institution | Kitakyushu Museum of Natural History and Human History |
Principal Investigator |
松井 和幸 北九州市立自然史, 歴史博物館・歴史課, 主査学芸員 (10372236)
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Keywords | タケ / 矢竹 / 孟宗竹 / 真竹 |
Research Abstract |
平成18年度は、京都府から群馬県までのタケの出土遺跡を、遺跡の発掘調査報告書から104遺跡把握し、そのデーターベースを作成した。平成17年度からのデーターを合計すると合計で269遺跡となった。 現状の調査から、矢竹等の細いタケ類は、縄文時代にまでその存在は遡るのは間違いない。 孟宗竹は、渡来の時期は応仁年間(1460年代)と元文元年(1736)の二説があるが、何れにしろかなり後の時代に渡来したと考えられる。孟宗竹とは必ずしも特定できないが、大口径のタケは何れも中世以降の出土であり、導水管への利用などもこの時期に始まる。 真竹のような、直径数cmのタケ類は、これも島根県出雲市下古志遺跡や大阪府柏原市舟橋遺跡I区の井戸枠のタガなどから12世紀頃からは遺物として把握できる。ただ佐賀県牛津町生立ヶ里遺跡からは、弥生時代中期前半期の直径2.5cmの桜皮を巻きつけた茶筅状のタケ製品が出土している。井戸からの出土であり、出土状況から見る限りでは、時期は間違いないようである。実際に調査したのは、報告書に記載されているものと異なり、複数の資料が出土している可能性もある。タケは太さから破竹に近く、タケの種類も含め、極端に古い時期の唯一の資料である。今後再検討する必要のある資料である。 このように、タケの種類により日本列島への渡来の時期はどうやら異なるようであり、このことから、人々のタケの利用の仕方も異なったようである。
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Research Products
(1 results)