2005 Fiscal Year Annual Research Report
日本政治史学と現代政治学・歴史学理論との対話と交流の可能性に関する研究
Project/Area Number |
17653013
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松浦 正孝 北海道大学, 大学院・法学研究科, 教授 (20222292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
空井 護 東北大学, 大学院・法学研究科, 助教授 (10242067)
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Keywords | 日本政治史 / 歴史学理論 / 政治学理論 / 歴史学のゆくえ / 比較政治学 |
Research Abstract |
本プロジェクトは、平成17年11月に繰り上がり採択されたものであり、実質的な活動期間は11月から3月までの5ヶ月に過ぎない。この間、松浦は日本政治史をサバルタン研究・ディアスポラ研究や社会史的な研究、あるいは帝国研究などと如何に結合させるかについて、日本のアジア主義を中心とした実践的研究を試みると共に、文化人類学や民俗学、社会学などを含め、日本政治における構造主義的研究の可能性を検討した。空井は、一年間留学して貪欲に摂取してきた最先端のアメリカ政治学理論や比較政治学理論を、戦後日本内政史に適用した論文を執筆すると共に、ハーバード大学等を中心としたアメリカの政治学・歴史学理論研究の実情に対する批判的検討を進め、新たな理論研究の地平を切り開こうと模索した。両者の成果は、坂野潤治他編『憲政の政治学』として刊行された。 本プロジェクトではもう一つの柱として、日本政治史及び隣接領域の第一人者に当該分野の現状と課題について報告して頂き、議論を行った。それには来年度から研究協力者として参加して頂く予定の、2年間英米両国で濃密な研鑚を積んだ新進気鋭の論客中北浩爾立教大学法学部教授にも加わって項いた。18年1月19日・20日に北大等において酒井哲哉東大教養学部教授に「戦間期日本の国際秩序論」と題し近代日本研究に関するレビュー報告をして頂き、活発な討論を行った。3月12日には立教大学において浅井良夫成城大学経済学部教授に、近現代日本経済史に関するレビューと今後の課題をご報告頂き、異分野における同時代史研究の課題について意見を交換した。いずれも貴重な報告であり、同様の研究会を重ねて成果を「歴史学のゆくえ」(仮題)と題して刊行する構想をもたらすと共に、プロジェクトとしての提言をまとめるための出発点となった。
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Research Products
(4 results)