2005 Fiscal Year Annual Research Report
痴呆性高齢者に対する介護者の意識調査及び痴呆性高齢者の言語能力評価と介護への応用
Project/Area Number |
17653055
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
松山 郁夫 佐賀大学, 文化教育学部, 助教授 (90363415)
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Keywords | 認知症高齢者 / 介護職員 / 言語能力 / 認知能力 / コミュニケーション |
Research Abstract |
平成17年度においては、アンケート調査により、介護職員が、介護を行っている認知症高齢者の言語能力を含む認知能力についてどの程度把握していると考えているのか、および認知症高齢者のコミュニケーションをとるときに認知能力に応じた配慮をどの程度心がけていると考えているのかを検討した。認知症高齢者に対する介護職員の認識について、症状や行動の理解に関しては「認知障害の理解」「行動障害の理解」「生活障害の理解」、認知能力の把握に関しては「概念把握」「生活把握」「運動把握」、コミュニケーションでの心がけに関しては「具体的心がけ」「受容的心がけ」という概念構造が確認された。また、グループホームの介護職員の方が特別養護老人ホームの介護職員よりも、認知症高齢者の症状や行動に関する「生活障害の理解」、認知能力に関する「概念把握」「生活把握」「運動把握」、およびコミュニケーションに関する「受容的心がけ」の程度を高く捉えていることが示された。さらに、介護職員が認知症高齢者とのコミュニケーションを行う際、コミュニケーションをとりやすいような配慮をすること、相手に理解しやすいように非言語的コミュニケーションをとること、およびコミュニケーションをとりやすい工夫を心がけることの3つの側面について捉えようとしていることが示唆された。このため、介護職員は、認知症高齢者の言語理解の程度を把握したうえで、言語理解の程度に応じたコミュニケーション手段を考慮しながらコミュニケーションをとることを心がけていることが推察された。 総じて、認知症高齢者の介護に携わる介護職員が、認知症高齢者の認知能力を把握する際の視点、および認知症高齢者とコミュニケーションをとるときに心がけている視点を見出し、これらについて検討した。
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