2006 Fiscal Year Annual Research Report
高次脳機能障害者が自助グループにおいて自己を再形成するプロセスに関する発達的研究
Project/Area Number |
17653076
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Research Institution | Hanazono University |
Principal Investigator |
脇中 洋 花園大学, 文学部, 教授 (10319478)
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Keywords | 高次脳機能障害 / ピアサポートシステム / ピアサポーター養成プログラム / ネットワーク / 当事者主義 / 自己認識 / 再適応 / 自己変容 |
Research Abstract |
本研究は、高次脳機能障害者がピアサポートシステムへの参加を通じていかなる自己変容を遂げるかについての体系的な解明を目的としている。平成17年度のうちにカナダの当事者団体を2回訪れてピアサポーター養成プログラムの内容と実践についての調査も行なうとともに、カナダや日本の当事者、関連機関のスタッフに対してインタビューを行なっている。また、当事者の変容を支えるネットワークの様相を調べるために、関連機関の担当者から話を聞き、資料の提供を受けた。 こうした調査活動を土台として平成18年度は、9月に約3週間カナダ・ブリティッシュコロンビア州ビクトリア市を拠点として高次脳機能障害者の当事者団体のほかに、病院や個人ネットワークの支援体制の状況、犯罪更生施設にまで手を広げてフィールド調査を行なった。また11月には仙台にある高次脳機能障害者の社会復帰施設を調査したり、カナダから来日した包括的支援担当者のワークショップに参加したりして、情報収集に努めた。 これらの調査を経て団体間の直接の連携も準備した上で、12月からは毎週日曜日に日本の高次脳機能障害者6名を対象に、ピアサポータートレーニングセッションの実践活動を行なって記録に残し本研究の最大の目的でもある日本版ピアサポーター養成プログラムの作成にめどが立ちつつある。 今後は回復途上にある当事者の社会適応に向けての実践的活動を継続しながら、日本の当事者とカナダの当事者の連携をさらに発展させていくために、カナダの当事者団体関係者を日本に招いてワークショップを行なう準備を進めているところである。 なお平成18年9月の主な訪問先は、高次脳機能障害者の当事者団体Vancoever Island Head Injury Societyにおけるトレーニング見学をはじめ次の通り。Fraser Valley Brain Injury Society, Victoria General Hospital, Victoria Parole Office of Correctional Service(カナダ矯正局),Matsuqui Institution(刑務所),William head Institution(刑務所)
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Research Products
(1 results)