2005 Fiscal Year Annual Research Report
まちづくりファンドの活用による地域社会におけるまちづくり支援システムの開発
Project/Area Number |
17656196
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
佐藤 滋 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60139516)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
早田 宰 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (80264597)
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Keywords | 都市・地域計画 / まちづくり支援 |
Research Abstract |
まちづくりの資金的支援の調査として、次の運用実態の調査を行った。 第一に、アメリカにおけるまちづくりの資金的支援の制度である。シアトル市における仕組みの運用実態の解明を行った。シアトル市では市民からの労働力や資金によるマッチングを得て助成を受ける仕組みである、「Neighborhood Matching Fund」の調査を行った。この支援システムにおいてはコミュニティ構築に対する効果を明らかにしたが、マッチングの準備能力によるマッチングファンドの分配の格差が明らかになった。また、環境改善のための助成システムである「Facade Improvement Matching Fund」の調査を行った。この制度は連邦政府によるブロックグランドを用いた制度であり、このファンドによる住民による地域の環境改善の効果を明らかにした。この制度に関しては、ブロックグランドを用いることから、その制度の複雑さに伴う官僚的な手続きが課題ではあったが、中間組織と行政とのパートナーシップおよび中間組織への分権といった新しい形のパートナーシップスキームが明らかになった。 第二に、イングランドにおけるまちづくりの資金的支援の制度の実態解明をニューキャッスル市を事例として行った。イングランドにおける中央集権的な行政制度の影響から生まれる貧困エリアに対する資金提供、およびその運営を行うコミュニティ組織の関係を明らかにした。 第三に、日本におけるまちづくり支援の全体像の解明を目的として、ヒアリング調査及びアンケート調査を行った。この調査からまちづくり支援制度の運用実態の解明を行ったことにより、日本の支援システムにおける助成の受け手の育成システムの課題が明らかになった。育成システムについては日本における市民活動の育成の担い手としてのコーディネーターの仕組みの必要性が明らかになった。
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