2006 Fiscal Year Annual Research Report
レトロウイルス性グリオーマモデルにおける遺伝子サイレンシングの効果
Project/Area Number |
17658134
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
落合 謙爾 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 助教授 (80214162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大橋 和彦 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 助教授 (90250498)
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Keywords | トリ / グリオーマ / 中枢神経系腫瘍 / 遺伝子サイレンシング / レトロウイルス / トリ白血病ウイルス |
Research Abstract |
研究代表者らは「トリのグリオーマ」の国内初発例を発見し,本疾患がA型トリ白血病ウイルス感染症であることを明らかにした。本研究課題の目的はトリのグリオーマ誘発ウイルス(FGV)を感染させた鶏にRNA干渉(RNAi)を誘導し,本疾患におけるRNAiの有効性を検討することである。トリを用いたRNAi実験に関する報告はこれまでほとんど公表されていない。このため,昨年度に引き続きin vitroでの実験条件を検討した。前年度報告書で実験に用いる細胞を鶏胎児線維芽細胞(chicken embryo fibroblast ; CEF)から鶏胎子線維芽細胞由来株化細胞DF-1に変更する方針を示したが,その後新たなトランスフェクション試薬が開発されたこと,DF-1よりもCEFの方がよりin vivoに近い状態であることから,2代培養CEFと2種類のsiRNA用トランスフェクション試薬を用いてFITC標識されたnegative control siRNAの導入を試みた。しかし、いずれの試薬を用いてもCEF内へのsiRNAの導入は確認されなかった。次に電気穿孔法による導入条件を検討したが、この方法でも細胞内へのsiRNAの導入はできなかった。この理由には電気穿孔法は高率に細胞死を引き起こすことがあげられる。一方,蛍光標識siRNAを用いた場合細胞内に導入されたsiRNAと細胞表面に付着しているsiRNAとの区別がしばしば困難となる。が開発された。以上の点を踏まえ、今後はDF-1を用いたより単純な実験系で細胞の内部標準遺伝子を標的にする方法でベータアクチンまたはGAPDH遺伝子を標的にしてsiRNAを導入できるトランスフェクション法を探索する予定である。
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