2005 Fiscal Year Annual Research Report
伝統医学の診察法とバイオメトリックスを応用した健康支援システムの開発
Project/Area Number |
17659190
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Research Institution | Meiji College of Oriental Medicine |
Principal Investigator |
和辻 直 明治鍼灸大学, 鍼灸学部, 助教授 (60220969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 真亮 明治鍼灸大学, 助手 (30368047)
斉藤 宗則 明治鍼灸大学, 助手 (90399080)
篠原 昭二 明治鍼灸大学, 教授 (50141510)
有田 清三郎 関西医科大学, 医学部, 教授 (20098601)
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Keywords | 伝統医学 / ソフトコンピューティング / 健康支援 / 顔面情報 / 音声情報 |
Research Abstract |
医療・保健分野で伝統医学(東洋医学)の診察法を活用していく上で最大の課題は、東洋医学の診察法の有用性を実証することである。そのため、東洋医学の診察所見が体調の異常を的確に判定できるかどうかを調査することが必要である。そこで、伝統医学を活用した健康支援システムの構築するための基礎研究として、東洋医学の診察所見と客観的な検査結果を比較し、東洋医学の診察法の有用性を調査した。 方法:対象は成人ボランティア2名、経時的変動をみるために隔日(午後)に計6回、一定環境下で安静後に診察と検査を行った。1)東洋医学の診察は顔面や舌、声、脈の状態を観察し、東洋医学的問診を行った。2)客観的検査は顔面皮膚温(サーモグラフィ)、心電図や呼吸などを測定した。音声情報では音声記録して音声スペクトルを解析し、同時に脳活性計測用発話音声解析システムで疲労状態を計測した。また、健康調査票を実施した。3)東洋医学の診察所見と検査結果を比較して検証した。 結果:東洋医学の判断結果は2名とも病的状態であり(CMI調査では神経症の疑いと判定)、経時的には基本病態は変わらなかったが、体調を崩した時には病態が異なっていた。顔面皮膚温の変化は東洋医学の顔面所見との類似点が多かった。自律神経機能の指標であるR-R間隔変動スペクトルの高周波数(HF)成分が一時的に低値(副交感神経機能の抑制反応)を示し、東洋医学の診察所見と部分的であるが一致がみられた。また、HF成分と発話音声解析システムのリアプノフ指数値の変化と関連する傾向がみられたが、健康調査票とは関連しなかった。 以上より、東洋医学の診察所見は検査結果と部分的に関連を認めたことから、体調の変化をよく捉えており、有用な所見であることが示唆された。今後、例数を増やして東洋医学の診察所見の有用性を検証し、個人の体調変化を経時的に捉えうる健康支援システムの構築を実現したい。
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Research Products
(1 results)