2005 Fiscal Year Annual Research Report
漢方薬による腸内細菌叢の変化とアレルギー発症予防の機序解明
Project/Area Number |
17659206
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
渡辺 賢治 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (70191757)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辨野 義巳 理化学研究所, バイオリソースセンター, 室長 (40087599)
山本 雅浩 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10398604)
|
Keywords | マウス / アレルギー / 抗生剤 / 免疫 / 腸内細菌 / 胎児期 / 遺伝子発現 / GeenChip |
Research Abstract |
トリ卵白アルブミンをアレルゲンとしたマウスアレルギーモデルにて、同抗原の経口投与による免疫寛容と腸内細菌の関係を調べる研究を行った。生後6週目より、同抗原をアジュバンドと共に腹腔内免疫して、抗原特異的な免疫応答を調べた(耳介腫脹、血中各種抗体、脾細胞の各種サイトカイン)。寛容は初回免疫日の数日前より連日経口投与にて誘導し、抗原特異的不応答を確認した。次に、ペニシリン系抗生物質サワシリンの混入餌投与による腸内細菌の生物学的修飾を行うため、胎児期(出産前)、生後3週目或いは寛容誘導開始3日前より同剤を投与した。現在、予備的解析段階で、サワシリン投与と経口免疫寛容の関係を検討中である。 一方、腸内細菌の有無による遺伝子発現の相違を包括的に把握するために、Gene Chipを用いてIQIマウスの脾臓における網羅的遺伝子解析を実施した。脾臓においては腸内細菌の存在依存的にプロテオソーム、ユビキチン系などのタンパク質分解サイクルや複数の転写制御因子の抑制が認められた。また、アレルギー関連因子としてHsp70の増加およびその転写因子の減少また、Hsp70と関連が報告されているMHCクラスIの減少が認められた。現在、腸内細菌再構成マウスによる上記の変化の確認と、これらの遺伝子のアレルギー発症への影響についてさらに詳細に解析中である。
|