2005 Fiscal Year Annual Research Report
リン利尿因子フォスファトニン感受ペプチドASARM受容体の同定
Project/Area Number |
17659256
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
宮本 賢一 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (70174208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑波田 雅士 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (30304512)
伊藤 美紀子 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (50314852)
瀬川 博子 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (70325257)
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Keywords | フォスファトニン / 受容体 / エンドサイトーシス / トランスポーター / 腎 |
Research Abstract |
リン利尿因子フォスファトニンは、リン代謝の中心的分子であり、その分子から分解されて放出されるAcidic serine asparate rich motof peptide ASARMペプチドは、カルシウム/リン代謝、エネルギー代謝(糖代謝)および腎機能や骨代謝などに重要なペプチドホルモンである。フォスファトニン感受ペプチドASARMは腎近位尿細管無機リン酸(以下リン)トランスポーター(Na/Pi cotransporter type IIa)に作用し、本分子の細胞膜から細胞質へのエンドサイトーシスを促進する。本研究では、ASARM受容体を同定する為に行った。ASARMによるtype IIaの腎近位尿細管細胞での発現抑制機構は、type IIa蛋白の第3細胞内ループにおけるdibasic motif (KRモチーフ)に認識される、メガリンを介するエンドサイトーシスに依存していた。我々はこのシグナル配列を認識する分子Na/Pi-Pex19を同定した。Na/Pi-Pex19の結合蛋白としてAP-2などの蛋白質がさらに必要であった。AP-2のμ2鎖はジチロシンモチーフやジロイシンモチーフを介して細胞膜蛋白を認識し、エンドサイトーシスを誘導した。そこで、Pex19とAP-2μ2鎖の結合モチーフについてyeast-two hybrid systemおよびpulldown assay法を行った結果、すでに知られている、IIa結合蛋白質であるNHERF1,PDZK1などに加えて、膜蛋白EST10876を同定した。EST10876は膜貫通1回のII型膜糖蛋白であり、細胞膜と細胞内器官に局在が確認された。EST10876の局在は、腎近位尿細管刷子縁膜に限局して確認された。ラベル化ASARMを用いて、EST10876クローンを発現させたCOS細胞との相互作用の検討を行い、EST10876とASARMとの結合を確認した。ただし、ASARMによるIIaエンドサイトーシスは、PTHなどに見られる迅速な分子移動が確認できないので、さらなる分子がエンドサイトーシスに必要と考えられた。また本クローンは、腎臓近位尿細管細胞に発現しているため、培養細胞系で各種RNAiを用いたノックダウン細胞において、ASARMとの結合は消失した。以上より、EST10879はASARM受容体として機能している可能性が考えられた。
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Research Products
(8 results)