2006 Fiscal Year Annual Research Report
口腔内気体成分組成と口腔内細菌叢の統合的解析に基づく口腔病態検査・診断法の開発
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17659591
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
福井 一博 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (70034171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
苔口 進 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (10144776)
山本 龍生 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (20252984)
恒石 美登里 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (50304324)
前田 博史 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (00274001)
玉木 直文 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (20335615)
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Keywords | 口腔内気体成分 / 口腔内細菌叢 / 口腔病態検査 / 診断法開発 |
Research Abstract |
本研究は口腔内で発生、蓄積する細菌終末代謝産物や揮発性有機物を口腔内細菌叢と統合的に解析し、歯周病や口臭症等の新しい検査・診断法開発を目的とした。口腔内の硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルスルフィドの3種硫黄化合物は病態や細菌活動と関連が高く、口臭の主原因とされ、口腔内気体をガスクロマトグラフ(GC)に導入し分析が可能である。臨床現場でのGC測定は困難であり、多数の口腔内気体サンプル解析を可能とする分析センターでのGC測定用吸脱着材の探索を行なってきた。3種硫黄化合物の吸着、脱着では化学変化を受ける困難、輸送期間中の揮散の困難があった。昨年度からのナノ構造繊維を含む吸着材の検討において、3種硫黄化合物をバランスよく吸着し、化学変化を起こさない吸脱着材候補を見出し、実用化可能性を見出せた。吸着材の輸送用容器の検討で、ガラス管と市販のゴム栓(シリコーンセプタム)を用いた吸着管による予備実験では、吸着2週間後の脱着で回収率は1/10程度に低下していた。3種硫黄化合物の密閉材料に対する溶解性、透過性に基づき、ブチルゴム、フッ素ゴムをシール材とする吸着管試作、検討の必要性を考察した。 また、今年度は口腔内細菌叢解析方法としてTerminal Restriction Fragment Length Polymorphism(T-RFLP)法を確立した。それは、デンタルプラークから全細菌DNAを抽出し、蛍光ラベル付きPCRプライマーを用いて、細菌16SリボソームRNA遺伝子断片(約1,500bp)をPCR法で増幅した増幅産物を制限酵素で消化した後、そのフラグメントパターンを遺伝子解析装置で分析して、口腔内細菌叢を解析するという方法である。その結果、多くの未知の難培養細菌群集と思われるフラグメントピークを得た。このT-RFLP法を歯周病や口臭症に特徴的な細菌叢の解析に繋げたい。
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Research Products
(6 results)