2005 Fiscal Year Annual Research Report
貝柱の接着機構を模倣した、バイオミメティックインプラントアバットメントの創製
Project/Area Number |
17659614
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
澤瀬 隆 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (80253681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熱田 充 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (60002135)
柴田 恭明 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (80253673)
馬場 友巳 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (60189727)
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Keywords | 歯学 / 生体材料 / 材料加工・処理 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
目的 我々はリン酸カルシウムを貝殻の成分として有するミドリシャミセンガイの貝殻-貝柱間の強固な接着機構に着目し,バイオミメティックス技術を導入することで,生体材料であるチタンに同様の軟組織との結合能を付与することを目的として研究を開始した. 実験1:チタン表面へのアパタイト/ラミニンの析出 純チタンディスク(φ10mm)に対しアルカリ処理(5M NaOH 5ml/disk,80℃,48h)を施し,その後熱処理(600℃,1h)を行い,リン酸過飽和/ラミニン溶液に37℃にて1日浸漬した.なお温度,時間等の条件設定は溶液中の経時的カルシウム濃度及びタンパク濃度を測定し、条件ごとのSEM観察を行った上で決定した. 実験2:ラミニン含有アパタイトコーティングディスクを用いたin vitroにおける細胞培養 我々は実験1にて準備したラミニン含有アパタイトコーティングディスクを用いてマウス線維芽由来であるNIH3T3細胞株を用いて培養を行い,対照としてアパタイトコーティングのみのディスク上で同様の培養を行った.両者の表面への生着を観察するために3時間培養後、30mM HEPESバッファー洗浄、2.5%グルタールアルデヒド固定を行いエタノール系列にて脱水後SEM観察用試料を作製した. SEM観察の結果、ラミニン非含有アパタイトコーティングディスクは細胞の伸展,成長がほとんど観察されなかったのに対し,ラミニン含有アパタイトコーティングディスク上における細胞は,伸展性,細胞相互の接着性,細胞層の成長等において優れているようであった. ここまでの総括 純チタン表面に接着タンパク及びアパタイトを析出したディスク上における細胞の反応は良好であったものの,チタンと析出層との結合は脆弱である.現在,アパタイト析出によるラミニン徐放と並行してラミニンを一定期間担持可能なチタン表面改質を検討中である.
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