2005 Fiscal Year Annual Research Report
イオン性液体中でのナノカーボンのトポケミカル反応とエネルギーデバイスへの展開
Project/Area Number |
17685020
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安部 武志 京都大学, 工学研究科, 助教授 (80291988)
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Keywords | イオン性液体 / カーボン / インターカレーション / 相間イオン移動 / 活性化エネルギー / アニオン |
Research Abstract |
本研究ではイオン性液体中でのナノカーボンへのカチオンもしくはアニオンの電気化学的インターカレーション反応および電極とイオン性液体電解質間の相間イオン移動反応を調べ、得られた結果よりリチウム二次電池の反応高速化と新規なエネルギー変換デバイスへの展開をはかることを目的としている。本年度はイオン性液体中におけるアニオンの黒鉛への電気化学的挿入脱離反応について検討を行った。イオン性液体について1-Ethyl-3-methylimidazolium tetrafluoroborate(EMIBF_4)、 N, N-Diethyl-N-methyl-N-(2-methoxyethyl)ammonium tetrafluoroborate(DEMEBF_4)を用い、イオン性液体と非水溶媒の混合電解質として、EMIBF_4-propylene carbonate(PC)(50:50 mol%)溶液、さらに比較のため、非水系電解質である1mol dm^<-3> LiBF_4-PC溶液の4種類を電解質として用いた。これらの電解液中でBF_4^-の黒鉛電極への電気化学的挿入脱離反応をサイクリックボルタモグラムおよび交流インピーダンス測定により調べた。その結果、イオン性液体中でアニオンを黒鉛に挿入脱離させる場合、イオン性液体の粘性に非常に影響を受け、電極/電解質間の良好な界面を構築できないことが分かった。そこで、イオン性液体を用いる場合には、高温にすることにより電荷移動抵抗の少ない界面を構築した。交流インピーダンス測定により活性化エネルギーを得た。その結果、有機溶媒を用いた場合がもっとも活性化障壁が小さく、イオン性液体を用いた場合では有機溶媒を用いる場合よりも大きな活性化障壁を示した。また、イオン性液体の種類により活性化障壁が異なった。これはイオン性液体中でのカチオンとアニオンの静電相互作用が異なることに起因する。
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