2006 Fiscal Year Annual Research Report
イオン性液体中でのナノカーボンのトポケミカル反応とエネルギーデバイスへの展開
Project/Area Number |
17685020
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安部 武志 京都大学, 工学研究科, 助教授 (80291988)
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Keywords | イオン性液体 / カーボン / インターカレーション / 相間イオン移動 / 活性化エネルギー / アニオン |
Research Abstract |
本研究ではイオン性液体中でのナノカーボンへのカチオンもしくはアニオンの電気化学的インターカレーション反応および電極とイオン性液体電解質間の相間イオン移動反応を調べ、得られた結果よりリチウム二次電池の反応高速化と新規なエネルギー変換デバイスへの展開をはかることを目的としている。昨年度ではイオン性液体中におけるアニオンの黒鉛への電気化学的挿入脱離反応について検討を行った。その結果、イオン性液体中でアニオンを黒鉛に挿入脱離させる場合、イオン性液体の粘性に非常に影響を受け、電極/電解質間の良好な界面を構築できないことを見出した。また、イオン性液体の種類により黒鉛への挿入脱離に伴う活性化障壁が異なることも示した。これはイオン性液体中でのカチオンとアニオンの静電相互作用が異なることに起因すると考えられた。そこでカチオンとアニオンの相互作用についての知見を得るため、本年度はリチウムイオン伝導性の結晶性固体電解質とイオン液体の界面でのリチウムイオン移動について交流インピーダンス測定により調べ、その活性化障壁を得ることにより、イオン液体中でのカチオンとアニオンの相互作用についての情報を得ることを目的とした。その結果、イオン液体のカチオンとアニオンの組合せにより、リチウムイオン移動に伴う活性化障壁が異なることを見出し、とくにアニオンにBF4アニオンを用いたときに、リチウムイオンの移動はスムーズに生じることを示した。
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