2005 Fiscal Year Annual Research Report
地盤災害軽減を意識し水理的地域性を考慮して許容揚水量を評価・表現する簡易手法
Project/Area Number |
17686041
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
神谷 浩二 岐阜大学, 産官学融合センター, 助教授 (50252119)
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Keywords | 地下水流動 / 帯水層構造 / 揚水量 / 水循環 / 地盤災害 |
Research Abstract |
本研究は,岐阜県西濃地域をモデル地区として,地盤沈下等の地盤災害との関係で設定される地下水位を維持するための許容揚水量の簡易評価手法を構築することが目的である. 初年度の平成17年度では,対象地域の地下水・地盤に関わる情報を整備・分析しつつ,地下水揚水量の実態把握に努めた結果,主に次述する事項が判明した. (1)農業用揚水の量的把握が困難である(量水計が設置されていない)現状に対し,揚水機の電気使用量と全揚程・動力等のポンプ規格値をそれぞれ用いて揚水量を推算できることが得られた.即ち,揚水機の電気使用量が揚水量を把握・管理するうえで重要な要因であった. (2)主要用途の揚水深度は,農業用,工業用,上水道用の順で深くなり,用途によって揚水対象の帯水層の"棲み分け"の特徴が明らかになった.また,対象全域では,揚水量は春から夏の期間と秋頃のそれぞれの時期に増大する特徴にあった. (3)柱状図や帯水層の水理定数の収集情報を分析した結果,対象地域の北部などの扇状地では一つの地下水盆としての水理的構造を有していることが見出された。また,その地域では現状の揚水によって地下水位が低下し易いという帯水層の応答性があることが分析された. (4)一方,観測地下水位の変動特性について,扇状地の不圧地下水は,夏場に水位が高くなり冬場に低下するという人工的影響の少ない季節変動にあるが長期的に水位低下する傾向にあった.それに対して,被圧性地下水は夏場に水位低下する季節変動であるが,長期的に水位上昇の傾向にある特徴が認められた. 次年度は,対象域の地下水流動・循環機構を数値解析などに基づいて分析し,揚水による地下水位・流動への影響関係を究明する計画である.
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Research Products
(6 results)