2007 Fiscal Year Annual Research Report
次世代低温・超高速エピタキシーを可能とするナノクラスター制御メゾプラズマ技術開発
Project/Area Number |
17686062
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神原 淳 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 講師 (80359661)
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Keywords | エピタキシー / メゾプラズマ / chemical vapor deposition / X線散乱 / ナノクラスター / その場計測 |
Research Abstract |
昨年度までに、中間的圧力下でのメゾプラズマの高密度原料ガスの大流束による高速堆積と共に、原料ガス凝縮に伴い形成されるナノクラスターも低圧プロセスと同程度のクヌーセン数の環境場により制御されうる特徴に着目して、シリコン薄膜堆積を進めた結果、低温でホール移動度は300cm^2/V近い値を維持する高品質なエピタキシャル薄膜を実現できることを実証した。また、メゾプラズマCVD時にその場計測できるX線小角散乱計測システムを立ち上げ、エピタキシャル成長時のガス凝縮に伴うナノクラスターが球状かつ3nm径をモードに粒径分布を有するシリコンクラスターであることを確認した。 これを元に、本年度、エピタキシャル薄膜並びに多結晶薄膜となる種々のプラズマ条件下で堆積を行った薄膜表面形態をstochastic解析に基づく精緻な分析を行った。多結晶薄膜が堆積する条件ではsurface diffusion機構が主に支配する成長様式で説明される表面形態解析結果であった。その場計測結果では、比較的大型〜5nm程度のクラスターの形成が確認されており、これら比較的大型のクラスターは十分に成長表面でbreak-upし難いことが示唆された。一方で、エピタキシャル成長時には、通常のエピタキシャル成長で確認されるステップフロー成長を基本とした沿面成長が達成されている可能性が高いことが判明した。これは逆に、クラスターを前駆体としながらも基板表面では原子が成長前駆体となるよう、クラスターが成長表面衝突に伴いbreak-upすることが考えられ、計測より予測されたホットクラスター概念を更に支持するものである。同時に、低温でありながら高速で高品質薄膜堆積を実現する指針を提示した重要な結果であるといえる。
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