2006 Fiscal Year Annual Research Report
共生微生物感染に必須なカルシウムスパイキング起動と受容に関わる宿主因子の機能解析
Project/Area Number |
17687005
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
今泉 温子 独立行政法人農業生物資源研究所, 植物科学研究領域植物・微生物間相互作用研究ユニット, 研究員 (20391592)
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Keywords | 根粒共生窒素固定 / アーバスキュラー菌根菌 / common signaling pathway / カルシウムスパイキング / CCaMK / CASTOR・POLLUX / 感染受容 / ミヤコグサ |
Research Abstract |
(1)Caスパイキング起動に関与する遺伝子として、ミヤコグサでは、CASTOR・POLLUXの2遺伝子が同定されたのに対し、タルウマゴヤシでは、POLLUXオルソログと目されるDMI1遺伝子のみが同定されている。それぞれの遺伝子の機能進化及び機能比較を目的として、CASTOR・POLLUX及びDMI1遺伝子のスワップ相補実験による、ミヤコグサeastor及びpollux変異体の変異表現型の復帰の有無を解析した。Agrobacterium rhizogenesによる毛状根形質転換系によりDMI1遺伝子を導入した結果、DMI遺伝子は、eastor、pollux変異体、及び、eastor/pollux二重変異体の根粒菌感染表現型を相補することが明らかとなった。故に、DMI1遺伝子は準化の過程においてCASTOR・POLLUX遺伝子双方の機能を集約的に獲得した可能性が強く示唆された。 (2)Caスパイキングの受容因子であるCCaMKの機能獲得型CCaMK-CAを形質転換したミヤコグサを作出した。同ミヤコグサのT1世代において、根粒菌非感染条件下で安定的に自発的根粒を着生する系統を複数得た。 (3)イネTos17挿入変異体として、OsPolluxで2系統、OsCCaMKで1系統の変異体候補を選抜した。これら変異体の表現型解析から、OsPollux変異候補2系統では菌根菌感染不全表現型が、OsCCaMK変異候補系統では、菌根菌感染不全表現型、及び、Tos17挿入ホモラインにおいて不稔表現型が確認された。このことから、OsPollux遺伝子およびOsCCaMK遺伝子は、イネ根における菌根菌感染受容過程に関与することが強く示唆された。また、OsCCaMKは、イネの稔性への関与が強く示唆された。また、海外のイネ変異体リソースから、新規にOsCastorの変異候補ライン3系統を入手した。
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