2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17689054
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
森木 裕貴 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (40363155)
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Keywords | 金属アレルギー / 毛髪分析 / 蛍光X線分析装置 |
Research Abstract |
毛髪は生体金属の排出器官の一種であることが知られており,ごく最近,大型放射光施設(SPring-8)で,数ミリ単位での経時的金属元素分析が可能となり,ヒ素中毒患者の毛髪中のヒ素量や脳腫瘍患者のCu・Zn・Srの量についての研究が報告されており,健康診断に用いようとする研究も始められている.また水銀中毒については以前よりICP質量分析装置による毛髪中水銀量の定量分析により生体内金属元素濃度の評価が可能であると報告されている.しかし,金属アレルギーと毛髪中金属元素との関係については未だ明らかにされてはいない.そこで本研究者は,市販されている蛍光X線分析装置の中で,高いエネルギー分解能を持ち,毛髪中の金属元素分析も可能である島津社製EDX-900を用い,毛髪中の金属元素分析を試みた. 本年度は,健常者の毛髪中金属元素濃度をEDX-900で測定し,本装置による測定条件を検討した.その結果毛髪中の元素分析に多く利用されるICP質量分析装置やICP発光分光分析装置と比較して,本装置による測定は前処理が不要で簡便に測定できる一方,検出限界が高いため検出元素は限られ,健常者といえども含有金属元素には個人差があった,今回は1人あたり2本の毛髪を採取して測定したが,測定結果より採取量を増やす必要があった.本装置で測定する場合,どの程度の毛髪を採取し,どのような条件で測定するかが本研究結果を大きく左右するため,測定条件を十分に検討する必要があり,来年度は再度健常者の毛髪を測定した上で,歯科用金属アレルギー患者の毛髪分析に取りかかる予定である.
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