2005 Fiscal Year Annual Research Report
人間型ロボット向け分散リアルタイム制御機構のための通信方式に関する研究
Project/Area Number |
17700078
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
兵頭 和樹 東京工科大学, コンピュータサイエンス学部, 助手 (90386780)
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Keywords | 実時間制御 / 分散システム / 実時間通信 |
Research Abstract |
本研究では、人間型ロボットの運動能力の改善に焦点を絞り、分散リアルタイム制御機構を対象とした新たな通信方式の実現を目的とする。本年度は、対象とする分散リアルタイム制御系の考察、制御系の通信に使用するスイッチ接続によるEthernetの特性解析、それらを基にした通信方式の検討、プロトタイプの実装と検証を研究計画に含む。 対象とする制御機構は、サーボや学習、予測を行う計算機による階層構造をとり、フィードバック制御に要求されるリアルタイム要請の高い通信、学習・予測制御に要求される比較的リアルタイム要請の低い通信が混在する。本研究では、フィードバック制御に要求される通信が制御周期を守るためには、通信遅延のみが重要であることに着目し、リアルタイムプロトコルに依らず、UDP/IP等の従来プロトコルを使用する通信方式を提案した。一方、使用するスイッチ接続によるEthernetではパケット消失の可能性があり、そのままではリアルタイム要請の低い通信との混在は困難であった。本研究では解析により得られた、流量一定以下ではパケット消失が発生しないという特性を利用し、制御のための通信の即時処理とデータグラム単位での通信予約による流量制御により上記通信の混在を可能とする方式を提案した。提案する方式においてもパケット消失を完全に排除することはできないが、制御理論の分野においてパケット消失の発生するネットワークを含むフィードバック制御系の安定化の研究が為されており、パケット消失率が一定以下であれば制御に問題は発生しない。現在、提案する方式のプロトタイプをRTLinux上に実現し、評価を行っている。
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