2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17700143
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
白井 清昭 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (30302970)
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Keywords | 質問応答システム / 意味の暖昧性 / 対話 / 文生成 / コーパス |
Research Abstract |
本研究課題では、ユーザの質問が暖昧であったときに、ユーザに対して問い合わせを行うことによって適切な回答を選択する対話型質問応答システムを構築することを目的とする。本年度は、前年度までに行った質問の暖昧性を検出する手法の改善、ならびに曖昧性を解消するためのユーザへ問い返し文の生成を行った。 ユーザの質問の曖昧性をより正確に検出するために以下の点を改善した。まず、キーワードの限定表現を抽出するためのパタンを追加・補強した。次に、同じような限定表現を伴う解答のグループ(解答群)を作成する際、従来の条件に加えて、限定表現の抽出パタンが同じという条件を満たす場合にも解答群を作るようにした。こうして生成された解答群に対してスコアを与え、最終的に1つの解答群を選択する。その際、質問文中のキーワードと解答群の限定表現の意味的関連度や、解答群の限定表現の抽出パタンの種類に応じてスコアを調整した。上記の修正の結果、昨年度の手法と比べて質問の曖昧性を表わす解答群を適切に獲得できることを実験的に確認した。 次にユーザへの問い返し文の生成に取り組んだ。問い返し文は、解答群中の限定表現をユーザから聞き出すためのシステムからユーザへの質問である。問い返し文は基本的にはテンプレートによって生成する。二者択一のタイプ、疑問詞とキーワードを含むタイプ、疑問詞のみを含むタイプの3種類のテンプレートを用意した。これらのテンプレートから複数の問い返し文の候補を生成し、その中から日本語として最も自然な文を1つ選択する。問い返し文の選択の際には、新聞記事から求められた文字のn-gramの頻度や、ウェブ検索エンジンのヒット件数などで、文の自然さを定量的に評価した。予備実験の結果、46個の曖昧な質問を入力したところ、35個(76%)については適切な問い返し文を生成することができた。
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Research Products
(1 results)